マムシってどんな蛇?特徴を知って被害を回避しよう

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夏のアウトドアでは、害虫のほか、場所によってはマムシなどの毒蛇にも注意が必要です。
マムシの特徴やかまれないための対策などを解説します。マムシの生態を理解し、キャンプ時に自分や子どもの安全を確保しましょう。

マムシの特徴・生態

マムシ参考記事「意外と身近にいるかも!? 危険生物の大ピンチ

効果的なマムシ対策をするなら、マムシがどのような動物かを知る必要があります。まずは、マムシの特徴や生態を解説します。

体に斑紋がある45~80cm程度の毒蛇

マムシは体長約45~80cmで、銭型で楕円形の斑紋がある毒蛇です。太く短い体形で、他の蛇と比べるとずんぐりして見えるのが特徴です。

体の色は灰褐色か暗褐色で、落ち葉や土の上に紛れていると見つけにくくなっています。地味な色合いですが、模様ははっきりとしています。

頭の形は三角形に近く、首との境目がはっきりしているのも見た目の特徴です。一般的な毒蛇と同様に、上あごから生える2本の毒牙を持っています。

5~10月ごろに多く出現する

マムシは、主に5~10月の暖かい時期に活発に活動します。特に、気温が25℃程度になる梅雨明けから夏にかけて、活動が盛んになります。

水辺や湿地・草むら・落ち葉の積もった場所などに潜んでいることが多いです。日中は岩陰や草むらでじっとしており、夕方の涼しい時間帯に、カエルなどの餌を探して動き出します。

完全ではありませんが、夜行性であるため、夜間の行動中に出くわす危険もあり、繁殖期を迎える秋口も注意が必要です。沖縄以外の日本全土に生息しているため、どこのキャンプ場でも遭遇する可能性があります。

マムシにかまれたときの症状と対処法

山道(出典) pexels.com

マムシにかまれるとどのような症状が出るかを知っておくことで、危険性を再認識しましょう。また、少しでも軽症にとどめられるよう、病院へ行くまでの応急処置も知っておきましょう。

マムシにかまれたときの症状

マムシにかまれると激しい痛みと腫れが生じ、以下の症状が現れる可能性があります。

吐き気

頭痛

発熱

下痢

視力の低下

皮下出血

めまい

意識障害

かまれた直後は軽い痛みでも、時間がたつと患部が大きく腫れ、紫色に変色するケースもあります。重症化すると血圧低下や呼吸困難、意識障害を起こす可能性があるので危険です。

毒は出血毒と呼ばれ、筋肉や血管に強いダメージを与えます。腎不全や壊死を引き起こすケースもあるため、軽症でも油断は禁物です。

出典:いちき串木野市/まむしに噛まれた時の応急処置

マムシにかまれたときの対処法

マムシにかまれたら、まずは患部を心臓より低い位置に保ち、毒が全身に回るのを遅らせます。

慌てると毒の回りが早くなるので、できるだけ安静を保ちましょう。

次に、傷口より心臓に近い部分を縛り、速やかに病院へ行くか救急車を呼びましょう。なお、蛇の毒は冷やしても解毒効果がないことが分かっています。

救急車を呼ぶ際は「マムシにかまれた可能性がある」と伝えると、適切で迅速な処置を行ってもらいやすくなるでしょう。

出典:野外活動におけるマムシへの対応|三重県林業研究所

マムシにかまれないための対策

石段が続く山道参考記事「奥三河の豊かな自然と文化に触れられる!愛知県新城市にある「鳳来寺山」を日帰りで登山

かまれたときの対処法を知るのも大切ですが、マムシと遭遇しないに越したことはありません。最後に、マムシに遭遇しないためのポイントや、いざ姿を目にしたときにできる対策を解説します。

登山道から外れず見かけても近づかない

マムシは、草むらや岩陰、落ち葉の下などに隠れています。登山道・遊歩道が整備されている場所では、なるべく道から外れずに歩くのが基本です。

いきなり茂みに足を踏み入れたり、岩場に手をついたりすると、不意にマムシと遭遇する可能性があります。仮にマムシを見つけた場合も、刺激しないよう静かに距離を取ることが大切です。

マムシは臆病な性格で、積極的に襲うことは少ないため、棒で突いたり追い払おうとしたりせず、そっと離れるのが安全です。

肌の露出を避ける

マムシは、足元付近を狙ってかみつくことが多いため、服装による予防も効果的です。長袖・長ズボンを着用し、足首が隠れる丈の靴下と、足をしっかり覆える登山靴・長靴を履きましょう。

茂みで何か作業をするときは、軍手を着用するのもおすすめです。特に夜は視認性が落ちるため、半袖・半ズボンやサンダルでの散策は避けた方がよいでしょう。

蛇対策グッズを使う

マムシが自ら寄ってくる可能性もあるので、忌避剤などのグッズを使って寄せ付けないのも有効です。蛇対策グッズには、蛇よけスプレーや忌避剤入りの置物・粒剤などがあります。

蛇よけスプレーは、虫よけスプレーのように自分に使うのではなく、マムシに向かって噴射する製品を使うことが基本です。いざというときの備えとして、持っておくとよいでしょう。

キャンプ場やテント周辺では、忌避剤入りの置物・粒剤も役立ちます。地面に置いたり撒いたりすることで忌避成分が広がり、マムシが寄って来にくい環境をつくれます。

また、マムシの餌となる動物の肉などは放置せず、処分しておくことも重要です。

まとめ

森(出典) pexels.com

マムシは、日本の自然に広く生息しており、活動時期や生態を理解することで被害を受けるリスクを減らせます。特に、落ち葉に紛れていると姿が見えにくいので、できるだけ開けた道を歩くことが大切です。

万が一かまれた場合は、迅速に病院へ行くことが大事になります。マムシ被害に遭わないためには、登山道を外れない・服装を工夫する・蛇よけグッズを活用するなどの対策が効果的です。

油断せず慎重に行動しながら、安全にアウトドアを満喫しましょう。

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