カナダ、オーストラリア、イギリスがパレスチナ国家承認と発表 | きばいやんせ!鹿児島

カナダ、オーストラリア、イギリスがパレスチナ国家承認と発表

動画説明,「今まさにその時が来た」スターマー英首相がパレスチナ国家承認を発表

2025年9月22日

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カナダ、オーストラリア、イギリスは21日、それぞれパレスチナ国家を承認すると発表した。各国とも、前もって承認の方針を示していた。パレスチナとイスラエルの間の中東和平問題解決を目指す2国家解決策の推進に向けて、3カ国で協力体制を組む意向という。

カナダは、主要7カ国(G7)諸国の中で初めてパレスチナ国家を正式に承認した。マーク・カーニー首相はソーシャルメディア「X」に声明を投稿し、「カナダは本日、パレスチナ国家を承認する」と発表した。

カーニー氏は、「カナダはパレスチナ国家を承認し、パレスチナ国家とイスラエル国家の双方に平和な未来を築くための協力を申し出る」と記した。

これに続き、オーストラリアのアンソニー・アルバニージー首相も、パレスチナ国家の承認を表明した。発表した文書には、「2025年9月21日をもってオーストラリア連邦は、独立した主権国家のパレスチナ国家を全面的に承認する。これによってオーストラリアは、パレスチナの人々が自分たちの国家を持つという長年の正当な抱負を、承認する」と書かれている。

アルバニージー氏はまた、これはカナダおよびイギリスと連携しての対応の一環で、3カ国は「2国家解決への取り組み」を構築すると述べた 。

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画像提供,オーストラリア政府

画像説明,オーストラリア首相と外相の名で、「2025年9月21日をもってオーストラリア連邦は、独立した主権国家のパレスチナ国家を全面的に承認する。これによってオーストラリアは、パレスチナの人々が自分たちの国家を持つという長年の正当な抱負を、承認する」と書かれた政府文書

続いてイギリスのキア・スターマー首相も、パレスチナ国家を承認すると発表した。

首相はソーシャルメディアに投稿した動画で、「本日、平和と2国家解決への希望を再生するために、私はこの偉大な国の首相として、イギリスがパレスチナ国家を正式に承認することを明言する」と表明した。

動画の冒頭でスターマー氏は、「中東で広がる惨状に直面し、我々は平和と2国家解決の可能性を生かすために行動している」と述べ、「それには、安全で安定したイスラエルと、存続可能なパレスチナ国家が並んで共存する必要があるが、現時点ではそのどちらも実現していない」とした上で、パレスチナ国家承認の時が「今まさに訪れた」と強調した。

スターマー氏はまた、ハマスに拘束されている人質たちのイギリスの家族と面会したことに触れ、「彼らが日々耐えている苦しみ」と、イスラエルとイギリスの人々の心に深く刺さっている苦痛は認識していると述べた。

首相は、人質の即時解放をあらためて求め、「私たちは彼らを帰還させるため、引き続き闘い続ける」と話した。

さらに、「2国家解決へ向けた私たちの呼びかけは、ハマスの憎悪に満ちたビジョンとは正反対のものだ」と述べ、「この解決策はハマスへの報酬ではない」と強調。ハマスは未来も、政権での役割も、安全保障への役割も決して持たないと述べた。

スターマー首相はその上で、ガザでの人為的な危機がかつてない深刻な水準に達している危機感を示し、「飢餓と破壊は耐え難い」と憂慮した。

食料や水を求めていた人々が殺され、数万人が命を落としているとして、首相は「この死と破壊は、我々すべてを恐怖に陥れている」と述べた。

一部の病気や負傷した子どもたちは避難することできたのに加え、イギリスは人道支援を強化しているが、「とてもではないが十分な量の支援はまったく届いていない」と指摘した。

スターマー氏はイスラエル政府に対し、ガザ地区の境界での移動制限を解除するよう求め、「この残酷な戦術をやめ、援助物資の流入を認める」よう訴えた。

イスラエル政府はこれまで、援助物資を制限しているとの指摘を否定している。

スターマー氏は、「本日、我々はパレスチナ国家を承認している150以上の国々に加わる」と述べ、これは「より良い未来が可能だという、パレスチナとイスラエルの人々への誓いだ」と述べた。

「この紛争がいかに深く感情を揺さぶるか、理解している」と首相は続け、「この国の街中でも、学校でも、家族や友人との会話でも、それは明らかだ。(この紛争によって)分断が生まれた。憎悪と恐怖をあおる者もいる。しかし、それでは何も解決しない」と述べた。

「私たちは憎しみを拒絶するだけでなく、あらゆる形の憎悪と闘う努力をあらためて強化しなくてはならない」と首相は呼びかけ、各国に対し「努力を結集」し、「自分たちが望む平和な未来」を実現するよう促した。

これには残された人質の解放、暴力と苦しみの終結、そして2国家解決への回帰こそが必要だとスターマー氏は述べ、「すべての当事者にとって、これが平和と安全への最善の希望だ」と述べた。

スターマー首相は今年7月、イスラエルがパレスチナ・ガザ地区での停戦に合意し、パレスチナ国家と共存する「2国家解決」を実現する持続可能な和平に注力し、国連による支援物資の搬入再開を認めるなど、複数の条件を満たさなければ、9月の国連総会で承認に踏み切ると発表していた。

西岸地区では慎重な楽観

イスラエル占領下のヨルダン川西岸地区ラマラで取材する、BBCのトム・ベネット記者は、街角で住民の反応を取材。それによると、市内中心部のにぎやかな通りでは、イギリスによるパレスチナ国家承認の発表に対して慎重ながらも楽観的な声が聞かれた。

ムハンマド・ハシブ氏(30)は、「素晴らしいことだ」と歓迎し、「この戦争を終わらせられるよう、欧州の全ての国が追随し、我々の国家を承認してくれることを願っている」と話した。

ハシブ氏はガザでの戦争に触れながら、「私たちパレスチナ人は、今起きていることにとどまらない、それ以上の存在だ」とも述べた

「遅すぎることはないし、無意味でもない」と言う女性もいた。

一方で、承認がイスラエルによる弾圧の悪化を招くのではないかと懸念する声もある。イスラエル政府はヨルダン川西岸地区での入植地拡大計画を推し進めており、一部の閣僚は同地域の一部併合を示唆している。

承認はハマスへの「報酬」だとイスラエル

カナダ、オーストラリア、イギリスの発表を受けてイスラエル外務省は、パレスチナ国家の承認について、「イスラム聖戦主義のハマスに対する報酬にすぎない」と非難した。

イスラエル外務省はXへの投稿で、「ハマスはイギリスに拠点を持つムスリム同胞団の支援を受けて勢いづいている」と述べた。

さらに、「ハマスの指導者自身が公然と認めているように、この承認は(2023年)10月7日の虐殺の直接的な結果、つまり『成果』だ」と記した。

イギリス国内でもスターマー首相の発表への批判が出ている。

2023年10月7日にイスラエル南部の自宅から拉致され、今年1月にハマスに解放されたエミリー・ダマリ氏の母親マンディ・ダマリ氏は、スターマー首相が「2国家幻想に陥っている」と批判した。エミリー・ダマリ氏は、イギリスとイスラエルの二重国籍を持つ。

「片方の国家が、イスラエルを川から海まで消滅させることを憲章に掲げるテロ組織によって支配されている限り、2国家解決は決して実現しない」と、エミリー氏はBBCに話した。

さらに、「たとえスターマー氏が自分が正しいと思っていたとしても、人質がまだ戻っていないし、戦争も終わっていない、そしてハマスがガザで依然として権力を握っている状態での今回の決定は、10月7日のイスラエルへの野蛮で残虐な攻撃に対するハマスへの報酬となっている」と述べた。

イギリス政界では、最大野党・保守党のプリティ・パテル影の外相が、スターマー氏は「党内の急進左派に屈服した」のだと非難した。

「(首相には)道義的な権威がまったくない。承認を表明した今回の不誠実な動きは、平和と安定の実現するためのものではなく、労働党党首としての自分の地位を守るためのものにすぎない」とも、パテル氏は述べた。

さらにパテル氏は、ハマスがガザで人質を拘束し続けている中での今回の決定について、「暴力と過激主義が容認されて報われるという、危険なメッセージを送るものだ」と批判した。

【解説】これは何を意味するのか

ポール・アダムスBBC外交担当編集委員

パレスチナは、存在するし、存在しない国家だ。

国際的な承認を広く得ており、外国に外交使節団を派遣し、オリンピックを含む国際スポーツ大会にも代表チームを派遣している。

しかし、イスラエルとの長年にわたる対立のため、以下のような状況にある。

・国際的に合意された国境がない

・首都がない

・軍隊がない

1990年代の和平合意を受けて設立されたパレスチナ自治政府は、イスラエルによる軍事占領のため、ヨルダン川西岸地区で領土や国民を完全には統治できていない。イスラエルが占領するガザ地区では、壊滅的な戦争が続いている。

このような「準国家」としての地位を踏まえると、国家承認の意味合いは否応なく、いささか象徴的なものだ。強い道義的・政治的な意思表示ではあるが、現地の状況はほとんど変わらない。

それでも、その象徴性は極めて大きい。

昨年7月に国連で、当時のイギリス外相デイヴィッド・ラミー氏は次のように述べた。

「2国家解決を支援するにあたり、イギリスは特別な責任を負っている」

2国家解決とは

2国家解決は、イスラエルとパレスチナの間の和平に向けて構築された国際的枠組みを意味する。

この案では、ヨルダン川西岸地区とガザ地区に独立したパレスチナ国家を樹立し、東エルサレムを首都とする。このパレスチナ国家はイスラエルと並存する。

しかし、イスラエルは2国家解決を拒否している。最終的な和平合意はパレスチナ側との交渉によって決定されるべきで、国家承認が前提条件となるべきではないと主張している。

イスラエルとパレスチナ解放機構(PLO)が1990年代に重ねた交渉の末、1993年にノルウェーの仲介で「オスロ合意」が成立。それに基づいて翌年、パレスチナ自治政府が設置された。

パレスチナ自治政府は2国家解決を支持しているが、ハマスはイスラエルの存在自体に反対しているため、支持していない。

ハマスは、パレスチナ難民の帰還権が認められるならば、イスラエルを承認しないまま、1967年の事実上の境界線に基づく暫定的なパレスチナ国家を受け入れる可能性があると述べている。

「オスロ合意」は、和平交渉の枠組みを提供するものだったが、交渉はその後、決裂。決裂の責任は相手にあると、お互いが非難し合うてんまつになった。

(英語記事 UK, Canada and Australia announce formal recognition of Palestinian state

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