法廷闘争の可能性も…6.5億円競売が決まった大谷翔平の50-50記念球が物議 18歳高校生が“被害”を訴え「僕はボールを奪われた!」

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大谷の放った50号記念球は小さくない物議を醸している。(C)Getty Images

 大谷翔平(ドジャース)の残した記念球は、小さくない騒動に発展している。

 物議を醸すキッカケとなったのは、去る9月19日に行われたマーリンズ戦での偉業だ。この試合で大谷は史上初となる「シーズン50本塁打・50盗塁」を決める50号をマーク。歴史的な快挙に世界が熱狂した。

 そのホームランボールは文字通り歴史的価値を持つ。ゆえに手にした男性はドジャースからの30万ドル(約4200万円)の賞金提示を拒否。この度、高額オークションに出品することが明らかになった。

 男性からの依頼を受け、オークションに協力するという米サイト『Goldin』によれば、入札は9月27日の東部時間午前0時(現地時間)からスタート。初期設定価格は50万ドル(約7225万円)だが、10月9日(日本時間10日)までに450万ドル(約6億5000万円)で入札した場合において即決となるという。

 オークションで落札された野球ボールの史上最高額は1999年にマーク・マグワイアが残した70号のホームランボールで、305万ドル(約4億4100万円)となっている。今回は、その金額を大きく上回る可能性があるだけに、大谷のホームランボールは現地でも一大トピックとなっている。

 そうした状況下で、ボールの所有権を訴える人間も現れている。米コレクション専門メディア『cllct』の取材に応じたマイアミの不動産会社「Franklin Street」に勤める従業員の息子で、高校生のグレグ・マトゥス氏は、「ボールは僕の真下に落ちた。だから僕はボールを掴んだんだ。そうしたら、黒いTシャツを着た男が、僕の手を足の間に挟んで、腕を抑え、ボールを奪い取っていった」と主張。オークションに出品した男性にボールを強奪されたと訴えたのだ。

 当時、50号が飛んできた左翼付近は複数人による争奪戦が展開。叫び声も聞こえ、倒れた椅子の下敷きになるファンもいたほどのカオスな状況となっていた。そうした中で18歳の青年はプレミア級の価値を持つ一球を奪われたというわけである。

 この訴えを巡って一部メディアは法廷闘争の可能性を示唆。社会情勢などを中心に扱う米週刊誌『Newsweek』は、クリーブランドに構える弁護士事務所「Karon LLC」のダニー・カーロン弁護士が所有権に関する見解を紹介している。

 同弁護士は、バリー・ボンズが2001年にシーズン最多73号を放った記念球を巡って、生じた裁判で、裁判所がボールによって生まれた売却益の折半を命じた例があったと指摘。その上で「ボンズの事例が最良の前例となるだろう」と、青年が訴えれば、所有権が折半になるという可能性を論じた。

 莫大な価値を持つとされている大谷の50-50記念球。その最終的な行方を巡る騒動はより余波を広げていきそうな気配だ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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