はじめまして。一般社団法人 高齢者住まいアドバイザー協会 代表理事の、満田将太(みつだ しょうた)です。私は普段、税理士・公認会計士として働きながら、高齢者の住まいや介護に関する正しい知識を広める活動をしています。
「親の介護が必要になった。でも、いざ施設を探そうと思っても、まずどこに相談していいか分からない…」
そんな悩みを抱えていませんか? 実は私自身も、過去に祖母の施設入居で同じ経験をしました。当時は介護施設の知識など全くのゼロ。どこに相談すればいいのかも分からず、手探りで地域包括支援センターを頼り、なんとか入居に至りました。
当時の私は「介護は家族でするもの」という先入観があり、祖母を施設に預けることに強い後ろめたさや罪悪感を抱えていました。しかし、入居後に面会に行くと、祖母が私たち家族にこう言ってくれたのです。
「家族はよく会いに来てくれるし、ヘルパーさんは良くしてくれるし、私はすごく幸せだ」
この言葉を聞いて、私の中の「施設=かわいそう」というマイナスな印象が180度変わりました。正しい知識さえあれば、施設入居は家族みんなを笑顔にする「前向きな選択肢」になるのです。
しかし、知識がないまま相談先を間違えてしまうと、希望とかけ離れた施設に入居してしまう「悲しいミスマッチ」が起きてしまいます。そんなご家族を一人でも減らすために、今回は「介護施設探しの5つの相談先と、その裏事情」を徹底解説します。
介護施設探しの5つの相談先
いざ施設を探す際の主な窓口は5つあります。それぞれの特徴と注意点を見ていきましょう。
① 地域包括支援センター
特徴: 各市区町村に設置されている公的な「よろず相談所」です。
紹介される施設: 特別養護老人ホーム(特養)や老健などの公的施設、地域密着型施設に強いです。
注意点: 公的な立場であるため、「この民間施設(有料老人ホームなど)がおすすめ」といった特定の民間施設の斡旋は原則できません。民間施設の最新事情には詳しくないケースもあります。
② 病院のソーシャルワーカー(地域連携室など)
特徴: 入院中の方の退院後の生活や、転院・施設入所をサポートする医療福祉の専門家です。
紹介される施設: 老健、介護医療院、医療対応が手厚い民間施設など。
注意点: 病院側には「次の患者さんのために病床を空けたい」という事情があることが多く、急かされてしまい、ご家族がじっくり比較検討できないまま入居先を決めてしまうリスクがあります。
③ 民間の紹介センター(老人ホーム紹介センター)
特徴: 希望条件に合った民間施設を提案し、見学同行や契約サポートまで無料で行ってくれる事業者です。
紹介される施設: 介護付有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅などの民間施設。
【重要】紹介センターのジレンマ: 実は私自身、以前に紹介センターを運営していました。そこで痛感したのが「お客様にとって特養や自社と提携していない民間施設がベストだと思っても、それを紹介できない」という大きなジレンマです。紹介センターは施設からの「紹介手数料」で成り立っているため、どうしても「提携先」の中から選んで提案せざるを得ないというリアルな事実を知っておいてください。
④ ケアマネジャー(介護支援専門員)
特徴: 在宅介護の日々の伴走者。ご本人の身体状況や性格、家族の事情を一番よく理解してくれています。
紹介される施設: 地域のグループホームや、ケアマネの事業所と繋がりのある施設。
注意点: ケアマネジャーは「在宅介護のプロ」ですが、「施設探しのプロ」とは限りません。地域の幅広い民間施設の情報まで網羅している方は少数派です。
⑤ 介護施設紹介サイト(ポータルサイト)
特徴: ネットで地域や予算を入力し、自分で施設を検索できるウェブサイトです。
紹介される施設: サイトに掲載されているすべての施設。
注意点: 一括資料請求をすると、複数の施設や紹介会社から一斉に営業電話がかかってくることがあります。
【状況別】まずはここ!相談先の選び方
それぞれの窓口の特徴を踏まえ、「今の状況」に合わせて、まずは以下の相談先を頼ってみてください。
まだ介護認定をとっていない ▶︎ 「地域包括支援センター」へ
特養などの公的な施設を探したい ▶︎ 「地域包括支援センター」へ
今のケアマネジャーに、入居後も継続して担当してもらいたい ▶︎ 今の「ケアマネジャー」へ相談(※担当継続可能な施設に限定されます)
退院日が迫っていて、急いで施設を見つけたい ▶︎ 「病院のソーシャルワーカー」 や 「民間の紹介センター」へ
とにかく安い施設(民間)を探したい ▶︎ 「民間の紹介センター」 や 「ポータルサイト」へ
すでに介護保険や高齢者住まいについて詳しく、自分で選別できる ▶︎ 「ポータルサイト」で一括検索
後悔しない施設探しのための「真の答え」
先ほどのフローチャートを見ていただくと分かる通り、どの相談窓口もすべての施設情報を網羅できるわけではありません。
だからこそ、「どこの窓口に相談したとしても、最終的には相談者自身にある程度の知識がないと、理想の住まいにたどり着くのは難しい」のです。
それぞれの窓口からどのような情報が得られるのか(あるいは、立場上「得られない情報」は何なのか)を理解した上で、提案を鵜呑みにせず、ご自身で判断できる知識を持つことが何より重要です。
知識をつける前に、一番手軽だからと「ポータルサイト」で検索する方が多いですが、実はこれが一番難易度が高いです。知識がない状態で膨大な選択肢を突きつけられても、何を基準に選べばいいか分からず、ただ選択肢が増えるだけで迷子になってしまいます。
だからこそ、私は「高齢者住まいアドバイザー」を全国に増やしたいのです。
紹介センター時代の「提携先しか紹介できないジレンマ」を経験したからこそ、特定の施設に偏らず、完全に公平・フラットな立場でご家族に伴走し、アドバイスできる専門家が必要だと強く感じました。
相談者自身が正しい知識を身につけるためのサポートをし、迷った時に第三者の視点で導くことができる存在。ご家族が知識不足による悲しいミスマッチで後悔しない社会を作るために、私はこれからも「高齢者住まいアドバイザー」を育成し続けていきます。
施設探しは人生の大きな決断です。一人で抱え込まず、まずは正しい知識に触れることから始めてみませんか?
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満田 将太(みつだ しょうた) 一般社団法人 高齢者住まいアドバイザー協会 代表理事・公認会計士・税理士
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