捨てどきや捨て方が悩ましいひな人形。どのようなタイミングで、どのように捨てればよいのでしょうか。「All About」冠婚葬祭ガイドの中山みゆきが解説します。
ひな人形はいつ捨てるべき? その際は一般ごみで処分して大丈夫?
ひな祭りで使用するひな人形は、処分のタイミングや方法が悩ましいですよね。正しいやり方はどのようなものなのでしょうか。
「All About」冠婚葬祭ガイドの中山みゆきが回答します。
(今回の質問)
ひな人形はいつ捨てるべき? その際は一般ごみで処分して大丈夫なのでしょうか?
(回答)
子どもが独り立ちしたときや、収納スペースが足りない場合が捨てるタイミング。処分の際にはゴミとして出しても問題ありません。
どういうことなのか、以下で詳しく解説します。
ひな人形を捨てるタイミングって?
そもそもひな人形のルーツは、紙や布切れで作った簡素な人形(ひとがた)に自分の厄や災いを背負ってもらい、川や海に流す行事である「流しびな」。それが平安時代の「ひいな遊び(人形遊び)」と結びついた祭りがひな祭りです。江戸時代には川に流さずに飾るスタイルに変化し、現在に至っています。
そんなひな人形ですが、捨てるタイミングとしては大きく分けて2つのパターンがあります。
ケース1:子どもが大人になり独り立ちしたとき
いわゆる自立のタイミングです。進学や就職を機に実家を離れる、また成人や結婚を区切りとして、自分たちが納得できる気持ちがあれば、それが手放すタイミングに。
ケース2:収納スペースが足りないとき
もちろん、娘が嫁ぎ先に持って行くのもよし、愛着が残るおひな様を親がインテリアとして部屋に飾り続けるのもよし、そうして代々受け継いでいく場合もあります。しかし断捨離のご時世、モノがあふれ、収納スペースの空きがない状態では持ち続けることが困難になる場合も。そのときが手放すタイミングといえそうです。
処分する方法は?
処分するには以下のような方法があります。
神社やお寺で人形供養をしてもらう方法
人形には昔から持ち主であるその子の魂が宿っているといわれています。神社やお寺では「人形供養」といって、人形に宿った魂を抜いて、祓い清めた上でお焚き上げ(焼却供養)をしてくれます。これなら後悔や罪悪感なくひな人形を手放せるでしょう。
ゴミとして処分する方法
可燃ゴミや不燃ゴミに分別し、通常のゴミとして出します。自治体によってごみ出しのルールが違うので、必ず確認してから出すようにしましょう。また供養の意味を込めて、ひな人形を白い紙か和紙に包んで塩を振って処分するとよいでしょう。
親族、友人、知人に譲る方法
人形に身代わりしてもらった災いを移してしまうので、「ひな人形をあげたり、もらったりするものではない」という昔からの風習は根強く残っており、その意味から「一人ひとり別のひな人形を与えるべき」とされています。しかし譲ってもらったからと災いが起きるとは限りません。互いの理解を得て、ニーズのある人に譲るのがよいでしょう。
学校などに寄付・寄贈をする方法
例えば、保育園、幼稚園、学校、児童施設、養護施設などがあります。大切にしてきたひな人形たちの第二の人生として、誰か違う持ち主に大事に飾ってもらえたらうれしいものです。ただし、ひな人形の寄付・寄贈を募っているかどうか事前に調べておく必要があります。
不用品回収業者に回収してもらう方法
部屋から他の不用品の運搬もまとめて持って行ってくれるので、手間がかからないのがメリットですが、不用品として回収してもらうのは有料になるのは注意したいポイント。引っ越しのタイミングで処分するという方法もあるでしょう。
「売る」という方法を取るのもあり
処分したい、でも捨てるのはもったいない、罪悪感もある……そういった場合には、買取業者に売るという選択肢もあります。ひな人形の保存状態がよいもの、また有名作家や有名ブランドのものは一般的に高く買い取ってもらうことが可能。いずれにしろ、査定は複数社で比較して決めればよいでしょう。
また自分で金額を決められるフリマアプリやオークションに出品するのもありです。なかでも利用者数が多いメルカリを活用してみてはいかがでしょうか。まず写真を撮る、自分で価格の設定する、商品の説明をして出品します。ただし、売れた際には自分で梱包や発送の手続きをする必要があるので、初めて利用する人にはハードルが高いかもしれません。
この記事の筆者:中山 みゆき
All About がオープンした当初から3年半、前ガイドの夫と共に冠婚葬祭についての情報発信に積極的に関わる。現在は、その知識を生かして冠婚葬祭関連のアドバイス活動を重ね、「思いやり」の心を大切にした情報を発信し続けています。
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