毎月、なんとなく届いた納付書で国民年金を支払っていませんか? 実はその「なんとなく」の選択、ちょっと損をしているかもしれません。
他の人はどんな方法で払っているのか、そしてどの支払い方法が一番おトクなのか。本記事では、知らないと損する年金のおトクな支払い方法をご紹介します。
納付書払いは多数派? 納付方法の内訳
国民年金の保険料は、20歳以上60歳未満の方で、国民年金の第1号被保険者に該当するすべての人が原則として納める必要があります。その支払い方法は複数あり、選び方によっては金額的な差が生じるのをご存じでしょうか。
厚生労働省の「令和5年国民年金被保険者実態調査」によると、令和4年度において保険料を全額納めている人で最も多い支払い方法は口座振替であり、一部のみ納付している人ではコンビニ払いが最多となっています。
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出典:厚生労働省年金局「令和5年国民年金被保険者実態調査 結果の概要」を基に筆者作成
一部納付者の多くの方が納付書で支払いを済ませている現状がありますが、今回の事例のように毎月納付書で支払っている方法では割引が適用されず、結果として損をしているケースもあります。
支払い方法を変えるだけで最大1万7010円おトクに?
支払い方法の工夫によって、国民年金の保険料を安くすることが可能です。日本年金機構によると、「国民年金保険料の前納制度」では、保険料をまとめて支払うことで割引が適用されます。
例えば、2年前納を口座振替で行った場合、令和7年度の金額では、合計額は40万8150円となります。これは通常の毎月払いと比較して、1万7010円の割引に相当するようです。また、同様に1年前納でも割引は適用されますが、口座振替の場合の割引額は4400円にとどまります。
割引は他にも、当月末振替(早割)や6ヶ月前納などの短期の前納にも適用されます。さらに前納の場合、「納付書払い・クレジットカード払い」と「口座振替」でも1回あたりの納付額は異なり、口座振替の方がおトクになります。支払い方法の見直しひとつで、無理なく節約ができるのです。
クレジットカード払いならポイントも貯まる場合がある! その注意点とは?
クレジットカードを活用した納付も、近年注目を集めている手段のひとつです。利用するクレジットカードによっては支払額に応じたポイントが貯まる場合があります。さらに「支出履歴が明確になる」「キャッシュレスで完結」といった利点も見逃せません。
注意点としては、クレジットカードの利用可能枠が足りないと決済ができず、結果として納付遅れにつながるリスクがあります。また、クレジットカード納付の場合、領収証書が発行されないため、クレジットカード会社からの利用明細書などで確認する必要があります。
まとめ
国民年金の納付方法は、今や自分のライフスタイルに合わせて選べる時代になっています。これまで何気なく毎月納付書で支払っていた方も、あらためてどの方法が自分にとって最適かを考えてみましょう。
まとまった金額を用意する前納は負担が大きいと感じるかもしれませんが、少しずつ積み立てておいて、一度に前納するという選択も可能です。
今後、年金制度の見直しや保険料の変動がある中で、「どう支払うか」はますます重要な選択肢となっていくはずです。毎月払いが習慣化している方も、この機会に少し視点を変えて、損のない納付方法を選んでみてはいかがでしょうか。
出典
厚生労働省年金局 令和5年国民年金被保険者実態調査 結果の概要 第5章 保険料の納付方法 1.保険料納付状況別最も利用回数の多かった保険料の納付方法(26ページ)
日本年金機構 国民年金保険料の前納
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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