梅雨の季節に大輪の花を咲かせて目を楽しませてくれるアジサイ。庭を華やかに彩る人気の低木ですが、剪定の時期ややり方しだいで、翌年の花付きが大きく左右されます。
今回は、アジサイ栽培歴30年の筆者が、「せっかく植えたのに、今年は花が咲かなかった」という失敗を防ぐために、アジサイの適切な剪定時期と基本の手順を紹介します。さらに、大きくなりすぎた株を小さく剪定する方法や、初心者でも育てやすいおすすめ品種を参考価格とともに紹介します。
1. この記事で紹介する「アジサイの剪定時期・方法&おすすめ品種」にまつわるあれこれ
アジサイの「花弁(花びら)」のように見える部分は、正確には花弁の外側にある「ガク」が変化したものですが、この記事では便宜上「花弁」や「花」と表記しています。
ガクは花弁よりも長持ちするため、長期間美しい姿を楽しめるのも魅力のひとつですよ。
2. アジサイの剪定に適した時期
アジサイは花が終わった後の7月中旬〜下旬までに剪定を終えるのが一般的です。
夏を過ぎると、翌年の春に咲くための花芽をつくり始めます。
秋以降に枝を切ってしまうと、せっかく作られた花芽を切り落とすことになり、翌年花が咲かなくなることも。花が衰え始めたらできるだけ早めに剪定しましょう。
3. 翌年もたくさん咲かせる《基本の剪定方法》
3.1 来年の花芽を残す「弱剪定」
花後の7月中旬~下旬までに、咲き終わった花の2節芽ほど下で切ります。よく見ると、葉の付け根に翌年の花芽が確認できるので、その芽の約1〜2センチ上で剪定しましょう。
3.2 株を若返らせる「間引き剪定」
何年も花を咲かせて古くなり、木質化して茶色くなった太い枝を、根元近くから大胆に切り落とします。目安として、株全体の3分の1程度の古い枝を間引きましょう。
古い枝を整理することで、株元への日当たりや風通しがよくなり、養分が若い枝へ行き渡って花付きがよくなります。
3.3 風通しをよくする「細枝や不要枝の剪定」
アジサイは葉が大きく茂るため、内側が過湿になると病気や害虫の原因になります。株の内側に向かって伸びている細い枝や、細くて花が咲かなかった枝、混み合っている枝を根元から切り取りましょう。
不要な枝を梅雨明けまでにすっきりと整理しておくことで、残した枝に栄養がしっかりと行き渡り、翌年に大きく充実した花芽をたくさんつけます。
4. 大きくなりすぎた株を小さくしたい《バッサリ切る剪定の仕方》
4.1 翌年の開花をあきらめる強剪定
巨大化したアジサイをコンパクトにまとめたい場合は、地面から2〜3節程度を残して強剪定しましょう。通常の剪定よりも少し大胆に剪定すると、翌年の樹高を低く抑えられます。
ただし、アジサイは深く切りすぎると、翌年に花が咲かない枝が出てくることも。そのため、「今年は株を小さく仕立て直す年」と割り切って、1〜2年かけて花を復活させるとよいでしょう。
4.2 翌年の開花も楽しむための剪定
一気に全体を小さくして、花がまったく咲かない状態を避けたい場合は、株の半分の枝だけを深く切り、残り半分は通常の剪定にとどめる方法がおすすめです。
翌年は残りの半分を強剪定。これなら、毎年一部の花を楽しみつつ、数年かけて株全体を小さく若返らせることができます。
5. 日陰の庭を彩る、初心者でも育てやすい《おすすめアジサイ》3選
5.1 日本人になじみ深い、手まり型の「ホンアジサイ」
日本で古くからなじみ深く、アジサイの代表格として知られるホンアジサイ。手まり状に大きく咲く花に存在感があり、梅雨時期のうっとうしさを晴らしてくれます。
強健で日本の梅雨の気候にうまく適応し、病気にも強いため初心者にもおすすめです。
※参考価格:1000円~2000円前後(4号ポット苗)
5.2 ピラミッド型の白い花がおしゃれな「カシワバアジサイ」
カシワバアジサイは名前どおり、カシワの葉に似た形の大きな葉が特徴。円錐状に尖って咲く白い花が優雅で、秋には美しい紅葉も楽しめます。
丈夫で育てやすく、おしゃれな洋風のガーデンにもぴったりです。
※参考価格:1500円~2500円前後(4号ポット苗)
5.3 小ぶりで繊細な花がナチュラルな「ヤマアジサイ」
日本に自生する野生種で、小ぶりで繊細な風情が魅力のヤマアジサイ。一般的なアジサイよりもコンパクトにまとまりやすく、生長も穏やかなため、狭いスペースや鉢植えにもおすすめです。
梅雨の雨にしっとりと濡れる姿が美しく、日本の四季の情緒を豊かに感じさせてくれます。
※参考価格:1000円~2000円前後(4号ポット苗)
6. 適切な剪定で梅雨時の庭を癒やしの空間に
アジサイの剪定は、時期と剪定場所を知っていれば、それほど難しい作業ではありません。大きくなりすぎたときは思い切って低く切り戻すなど、庭のスペースに合わせたコントロールも可能です。
剪定のひと手間をかけることで、翌年にはさらに見事な花を咲かせて、庭をしっとりと彩ってくれます。アジサイを適切に剪定して、梅雨時の庭を癒やしの空間にしてみませんか。
7. 【ガーデニング豆知識】日なた、日陰、半日陰、明るい日陰とは?
日なた・日陰・半日陰・明るい日陰の違い8/11
出所:LIMO編集部作成
さいごに「日なた、日陰、半日陰、明るい日陰の違い」も整理しておきましょう。
- 日なた:1日中よく日光が当たる場所。または、日陰になる時間が1日2~3時間程度。
- 半日陰:半日程度(1日3~6時間程度)日が当たる場所。または、日なたの木の下など、木漏れ日がさす場所。
- 明るい日陰:1日を通して直射日光はほとんど当たらないが、外壁や窓などの反射光で、ある程度の明るさがある場所。または、1日1~2時間程度日が当たる場所。
- 日陰:1日を通して日光がほとんど当たらない場所。
アジサイをはじめとした「日陰で育つ」と言われている植物の多くは「半日陰」や「明るい日陰」を好みます。完全な「日陰」で生育できる植物もありますが、そのような場所では花つきや葉色が悪くなりがちです。
可能であれば、少しでも明るい場所や、1日1~2時間でも日光が当たる場所を選んで植え付けると、育てやすくなりますよ。
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ライター・ガーデンコーディネーター
同志社女子大学卒業後、大手自動車販売会社に入社。結婚・育児を経た後、私立大学にて事務職に従事。学業・資格・キャンパスライフ全般に関わる相談・支援業務をおこなう。現在はガーデニング関連コラムのフリーライター、編集者に転身。ライフワークとするガーデニングの魅力を広く伝えられることに喜びを感じている。自宅の庭を手作りしたいという願望を叶えるため、ガーデンコーディネーターの資格を取得。県や園芸雑誌のガーデンコンテストに入賞の経歴を持つ。ガーデニング歴 30年、自宅のみならず町の緑化活動にも携わり、緑のある暮らしを満喫する日々。バラをこよなく愛し、トゲに刺されようともこりずに世話にいそしむ無類のロザリアン。













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