【深刻】“空き家大国”ニッポン 全国に約900万戸で倒壊やネズミ・害虫発生のリスクも…理由の6割は「相続問題」今すぐできる対策は? | きばいやんせ!鹿児島

【深刻】“空き家大国”ニッポン 全国に約900万戸で倒壊やネズミ・害虫発生のリスクも…理由の6割は「相続問題」今すぐできる対策は?

各地で多発している“空き家問題”

全国で約900万戸ある空き家。年々増加の一途をたどり、30年前と比べ約2倍に上り、過去最多を更新しています。空き家が放置されることで、倒壊や害虫の発生、不法投棄のリスクも…。なぜ対処できないのか、背景にある問題と、今できる対策を司法書士・太田垣章子氏に伺います。

■相続人不明で放置…行政も手を出せない“空き家”

 

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2023年の総務省の統計によりますと、全国の空き家の約900万戸のうち、居住や使用目的のない放置空き家は約385万6000戸で、そのうち2割強が腐朽・破損しているということです。

相続が発生するも…

取材班が訪れたのは、大阪府東大阪市のとある空き家です。建物の所有者は昭和40年代に亡くなり、相続が発生しました。市が相続人をたどってみましたが、空き家の存在を知らない人や海外に移住しており、連絡を取る方法がないという相続人が多くいることが判明しました。

壊したいけれど壊せない

建物と土地はそれぞれ別の人の所有で、行政が勝手に対応することもできず、地主は頭を抱えていました。
(地主)
「壊せば、それで再利用もできるし。いいんですけど、壊す方法がないんですよ」

東大阪市の空き家対策

東大阪市は2017年から空き家対策に特化した空家対策課を設け、対策に力を入れています。空家対策課には、年間300件から400件ほどの通報が寄せられるといいますが、その内容は空き家の樋(とい)の破損や瓦の落下、敷地内の草木が伸びて困っているなどさまざま。日々の通報をもとに、近隣住民から聞き取りを行い所有者への接触を試みているということです。

■空き家になる理由の6割は相続の問題

相続放棄が増加するワケとは

増加の一途をたどる全国の空き家。空き家になってしまう理由の6割は相続の問題だといいます。家の所有者が亡くなったとき、配偶者や子どもに相続されますが、相続される遺産のうち、住宅は解体や売却を検討しても老朽化や立地条件によっては売れません。残った財産より解体費用のほうが高く、土地にも固定資産税などがかかるため、結果的にマイナスの財産になることもあります。

果てしない相続

そのため、初めから相続人ではなかったとする相続放棄を選ぶケースが近年、増えているといいます。子どもが相続放棄をした場合、相続権は亡くなった所有者の親に移りますが、すでに亡くなっているとなると次はきょうだいに移されます。そしてきょうだいの子どもにまで広がる可能性もあります。

全員に同意を取らないといけない

空家対策課の大田課長によると、解決がまだできていない物件の中で相続人が110人いるケースもあり、その場合は110人の同意を得られないと、土地を売ることができないということです。

増加する“相続人の不在”

国交省のHPによると、“相続人が不在”のケースは増加していて、空き家の約4割は相続されていないということです。そして空き家の7割は1980年以前に建築されていて、使用目的のない空き家を、相続世帯の4割が相続後も空き家として所有しているということです。最高裁判所の司法統計によりますと、2024年度の相続財産の国庫帰属額は1292億円。10年前の3倍になっています。

なぜ起きてしまう?空き家問題

司法書士の太田垣章子氏によると、「子どもが実家を相続する場合、空き家になるかは居住地との距離の影響が大きい。他県に住む場合は7割以上が空き家とも言われている。今後、人口流出地域に空き家が増加する可能性がある」としています。
Q.空き家を放置し続けた場合、考えられるリスクはなんでしょうか?
(司法書士・太田垣章子氏)
「まず行政が相続人を特定するのが大変です。また、相続人も売りたくても相続登記ができないから売ることができない、という問題があります。相続登記は義務化されましたが、住民登録をしていた、固定資産税を何年か払った、という人が特別措置法のような形で所有権を取得して、売ることができるような制度ができればいいなと思います」

■問題解決に向けて法改正や行政代執行の動きも

 

空き家の所有者が動き出したケースも

各地で空き家が増える一方、問題解決に向けた動きも出ています。
東大阪市では2018年に近隣住民から「台風で空き家から部材が飛んできた」と通報があった空き家が、2026年4月に所有者によって解体され、土地も売却されました。

 

空き家対策特別措置法の改正

放置された空き家が周囲に著しく悪影響を及ぼす場合、市区町村が『特定空家』に認定することで、行政代執行で解体することができますが、実は2023年には空き家と特定空家の間に、予備軍として『管理不全空家』が新設されました。行政が空き家の所有者などへ指導・勧告を行えるようになり、この勧告を受けると、固定資産税の軽減対象外になります。
東大阪市の大田課長は「管理不全な状態の空き家について、法的な指導ができるようになったことが、所有者が考えるきっかけになったのでは」と話します。

『特定空家』に認定されたアパート

一方、老朽化により倒壊の恐れがあるとして、『特定空家』に認定された東京・足立区にある築46年のアパートは、穴が開いた外壁に、剥がれて落ちそうな天井もあり、近隣住民も懸念を抱いていました。

足立区の空き家

しかし、所有者は「関係ない」と応じませんでした。そんな中、2025年8月、区として初めて空家特措法に基づき行政代執行で解体をし、その費用600万円は所有者に請求されています。

荒川区の空き家

さらに、東京・荒川区の住宅は、柱や壁が傾き、隣の家にもたれかかったり、ネズミやハクビシンが住み着いたりしていて、2025年12月に特定空家に指定されました。2026年2月、区として初めて行政代執行で解体し、その費用として200万円がかかりましたが、所有者が他界しており相続人も分からず、このケースでは費用は区の負担になる可能性があるということです。

大阪・寝屋川市では「空き家流通促進税」を導入へ

また、大阪・寝屋川市では空き家に対し『空き家流通促進税(空き家税)』を導入する動きも出てきています。一定期間の居住実態がない住宅が対象で、家屋と土地の固定資産税に対し、30%から50%の税率で課税されるもので、課税対象は6400戸あるといい、2026年6月に条例案を提出し、2029年度からの課税を目指しているということです。

今すぐできる空き家対策

今すぐできる空き家対策として、太田垣氏によると「土地や家を持っている人は遺言書の作成、親が不動産を所有している子どもがやっておくべきことは、名義の確認」だということです。
(太田垣氏)
「今の名義が誰になっているかが大事です。そして、例えば父親であれば、父親が意思を表示できる間に親族とも協力して、名義を変更してもらうということもありだと思います。また、モノを買うと、消耗品でない限り、必ずそのモノの最後の出口が必要です。家を買ったのであれば、それを自分で最後を決めておくことも必要だと思います」
(読売テレビ「情報ライブ ミヤネ屋」2026年5月13日放送)

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