
九州が誇る有明海、玄界灘、佐賀関をはじめとした海の恵み、魚料理の登場です。鮮度抜群のお刺身はもちろん、地元で愛される練り物を使ったおでんなど、都内では珍しい美味の数々をご紹介します。
【鹿児島:カツオ・キビナゴ】王道から珍味まで、さつまの郷土料理を芋焼酎片手に味わう『郷土料理 薩摩の里』@高田馬場
壁一面の短冊メニューにはさつま料理の数々がずらり。ここ『薩摩の里』は、東京にいながらまるで鹿児島の地元の方が通う居酒屋に来たような感覚にさせてくれる一軒だ。
ご主人の山下由人さんは鹿児島出身。18歳で上京、40歳でこの店をオープンし、2026年で30年目になるという。
目玉のさつま料理は甑島産のキビナゴをはじめ、豚のアバラ肉を骨が柔らかくなるまで煮込み、味噌で仕立てた“とんこつ”や、串木野で作られた“つけあげ”(さつまあげ)など、家庭でも親しまれている品々がメイン。
どれもホッとするやさしいおいしさで、ご主人の人柄も合わさり長居するお客さんが多いのも納得だ。
きびなごの刺身 528円、伊佐美 700円、カツオの腹皮 660円
『郷土料理 薩摩の里』奥から、きびなごの刺身 528円、伊佐美 700円、カツオの腹皮 660円 濃いカツオの旨みと香りが酒を呼ぶカツオの腹皮、キビナゴの刺身は自家製の酢味噌でどうぞ
中でも特長的なのがカツオの腹皮。地元の漁師に愛される腹骨部分を軽く干した逸品で、半生程度に焼き上げたそれを大根おろしとポン酢で食せば、凝縮されたカツオの旨みと香りが広がり、いくらでも呑めてしまいそう。
飾らないおいしさと心地良い空間の中で、薩摩に思いを馳せる。こんな時間も悪くない。
店長:山下由人さん「〆には麦味噌を使ったさつま汁も用意しております」
[店名]『郷土料理 薩摩の里』
[住所]東京都新宿区高田馬場4-18-10・2階
[電話]03-3363-3258
[営業時間]17時~23時(22時半LO)
[休日]日
[交通]JR山手線ほか高田馬場駅戸山口から徒歩6分
【佐賀:イカの姿造り】佐賀食材の王者!最新の冷凍技術で釣り立ての味『新宿251(ニコイチ)』@新宿
呼子の剣先イカ、それは食いしん坊にとって憧れのスターみたいな存在だ。旬を狙って現地へ行くって手もあるけれど、やっぱりハードル高め。
でも実はあるのだ、都心でも季節問わずに味わえる店が!
お笑い芸人としての顔も持つのが店主・下畑博文さん。妻の実家は昔から呼子で海産物の流通や加工を生業にしており、そこから選りすぐりの品が届くというわけだ。
冒頭のイカは現地で釣り立てをすぐさま締めて、組織や細胞の損傷を抑える特別な冷凍にかける。注文後に流水解凍したのがご覧の姿。
剣先イカ姿お造り 4500円
『新宿251(ニコイチ)』剣先イカ姿お造り 4500円 肉厚で噛むほどに力強い旨みと甘みが膨らむ
身には透明感があり、最初はコリッと小粋な歯ざわりで、噛むほどにねっとりと舌に絡みついてくる。そこから放たれるのが濃密な甘み。
「地元の漁師さんも捌いてから冷凍庫に入れるんですよ。その方が甘みが出るって」。
時間も距離もワープした活イカを超える味は、飲み込むのが惜しくなるほど。
さらにつまみは佐賀の名物の他にも、福岡出身の店主が惚れ込んだモツ鍋や、胡麻サバなども用意している。
店主:下畑博文さん「『剣先イカ丼』も人気! 昼も夜も出しています」
[店名]『新宿251(ニコイチ)』
[住所]東京都渋谷区千駄ヶ谷5-32-5GSハイム新宿南口1階
[電話]03-6380-6303
[営業時間]12時~13時半LO(火~金)、17時~24時(フード2 3 時、ドリンク2 3 時半LO)
[休日]日
[交通]JR山手線ほか新宿駅新南改札から徒歩5分
【大分:関サバ・関アジ】刺身に干物と豊後水道から届く妥協なしの一級品『銀座 大海(おおみ)』@銀座
やってきた刺身に目が釘付け。切り口はピンと立っていて、大葉の緑が透けるような透明感がある。関サバ&関アジに代表される佐賀関で水揚げされ、空輸で届いたばかりの品々だ。
むろん味もさすがのひと言。荒波で育まれた身質は跳ねるような弾力で、そこから膨らむ風味はハッとするほど深く、濃い。
お刺身五点盛り 3520円
『銀座 大海(おおみ)』お刺身五点盛り 3520円 この日は関サバ、関アジ、関イサキなど
さらに「豊後さばの干物」も忘れちゃいけないひと皿だ。ホッケと見まごうばかりの特大で、肉厚な身には上品な脂をたっぷりたたえていた。
実はこちらを営んでいるのが、ファッション企業のシップス。大分出身の会長の郷土愛をぎゅっと詰め込んで、故郷自慢の食材を妥協なしに披露している。
他にも包丁の入れ方に注力し、ふんわり揚げたとり天に〆にちょうどいい日田焼きそばやとりめしなどの名物も用意。食材も料理も大分を丸ごと味わおう。
店長:塚本大樹さん「蔵元から届く、珍しい地酒もたくさんあります」
『銀座 大海(おおみ)』
[店名]『銀座 大海(おおみ)』
[住所]東京都中央区銀座1-19-9三鈴ビル1階
[電話]03-3567-6280
[営業時間]18時〜22時(21時半LO)
[休日]土・日・祝
[交通]地下鉄有楽町線銀座一丁目駅10番出口から徒歩4分
【長崎:長崎おでん】関東&関西とも違う“かんぼこ”愛にあふれた独自進化のおでん『長崎おでん かっちぇる』@湯島
知らなかった、長崎ってこんなにも練り物を愛する土地だったなんて。
ちなみに総務省調べの支出金額では長崎市が堂々の1位。全部をひっくるめて“かんぼこ”の名で親しまれている。
「地元じゃラーメン屋もうどん屋も年中おでんを出しますよ」と話すのが店主・疋田慎治さん。
カウンターに置かれた鍋の蓋を開けると柔らかなアゴダシの香りに包まれた。ゆらゆらと出番を待つかんぼこ達は、初めてお目にかかるものもわんさか。
おまかせ5種盛 1400円 ※おでんの内容はその時々で変わる
『長崎おでん かっちぇる』おまかせ5種盛 1400円 かんぼこは長崎から直送。ダシはトビウオをベースに地元の煮干しや鰹節なども合わせ、ほんのり甘めに仕上げる ※おでんの内容はその時々で変わる
“三角すりみとうふ”に、関東のそれとは異なる“あげだし”と、歯応えも魚の風味もたくましい。特に鶏卵が丸ごと1個入った“竜眼”は長崎おでんに欠かせぬ存在なんだとか。
また歴史の背景から生まれた独自の文化が和華蘭。そんな土地柄ゆえに週替わりのおすすめでは、洋食や中華も垣根なく並ぶメニューは楽しさいっぱいだ。
店主:疋田慎治さん、里江子さん「麦焼酎発祥の地、壱岐のボトルも揃えています」
『長崎おでん かっちぇる』
[店名]『長崎おでん かっちぇる』
[住所]東京都文京区湯島3-37-10 太田ビル2階
[電話]03-3833-5033
[営業時間]17時〜24時(23時LO)
[休日]日・祝
[交通]地下鉄千代田線湯島駅4番出口から徒歩2分
撮影/西崎進也(薩摩の里)、小島 昇、取材/荒川友吾(薩摩の里)、菜々山いく子
※写真や情報は当時の内容ですので、最新の情報とは異なる可能性があります。必ず事前にご確認の上ご利用ください。



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