年金月25万円・退職金2,500万円の元公務員夫婦が「山間の古民家」に移住→1年後、訪れた長男が絶句した“両親の現実” | きばいやんせ!鹿児島

年金月25万円・退職金2,500万円の元公務員夫婦が「山間の古民家」に移住→1年後、訪れた長男が絶句した“両親の現実”

image

(※写真はイメージです/PIXTA)

退職後のセカンドライフに、都市部を離れ、自然豊かな地方での暮らしを選ぶ高齢夫婦が増えています。広々とした古民家、澄んだ空気、穏やかな時間…。こうした生活に憧れる人も少なくありませんが、想像と現実のギャップに戸惑うケースも少なくありません。

「ここで第二の人生を」――夫婦で選んだ古民家暮らし

「ずっと人の多い場所で暮らしてきたから、これからは自然の中でのんびりしたいと思って…」

そう語るのは、元地方公務員の山野宏さん(仮名・73歳)。妻の静子さん(同・70歳)と共に、定年退職後に静岡県の山間部にある築60年の古民家へ移住しました。購入価格は700万円。水回りや屋根などの最低限のリフォームを施し、生活費の足しにと畑も始めました。

年金は夫婦合計で月25万円。退職金の一部をリフォームに使いましたが、2,000万円以上の預貯金が残っており、「心配することは何もない」と感じていたといいます。

しかし、生活はすぐに苦しくなり始めます。

「雪かきが予想以上に大変で、すぐ腰を痛めました。水道管も凍結してしまって…」

交通手段は車しかなく、買い物は片道40分。坂道が多く、畑仕事も重労働です。灯油代がかさみ、1月の光熱費は4万円を超えました。診療所は車で30分の距離に1軒あるだけで、通院も一苦労。体力と気力を消耗しながら、夫婦は少しずつ生活に自信を失っていきます。

「母のLINEが妙にそっけなくなって、心配になって。思い切って見に行ったんです」

そう語るのは、都内で働く長男の祐介さん(仮名・42歳)。1年ぶりに訪れた古民家で目にしたのは、想像を超える光景でした。

家の中は寒く、暖房は壊れたまま。古いカーテンの隙間から冷気が入り込み、台所の棚には賞味期限切れの缶詰が並んでいました。静子さんは風邪をこじらせて寝込んでおり、宏さんは畑の手入れもままならず、痩せこけていたといいます。

「母が『もう、ここで暮らすのは無理かもしれない』と泣きそうな声で言ったんです。あの母が…」

祐介さんは、すぐに二人を東京近郊の賃貸住宅へ引き戻すことを決意しました。

「老後資金は十分」は本当か?

夫婦の月々の支出は、移住当初は13万〜15万円程度を見込んでいました。しかし、寒冷地での光熱費増加や車の維持費、リフォームの追加工事、想定外の医療費などで、実際には20万円以上が出ていきました。

老後資金2,500万円も、1年で約400万円が消えていました。

生命保険文化センター『2022年度 生活保障に関する調査』によると、「夫婦2人で老後生活を送る上で必要と考えられている最低日常生活費」は月平均で23.2万円、「ゆとりのある老後生活を送るための費用」は38万円となっています。住環境によっては想定以上にコストがかさむこともあり、慎重な見積もりが必要です。

「古民家に住むことが夢だった。でも、夢って“住みこなす”覚悟が必要なんですね」

そう語る宏さんは、現在は駅から徒歩15分のアパートに夫婦で暮らしています。かつてのような広さはありませんが、通院もしやすく、買い物にも困らない生活に、少しずつ笑顔が戻ってきました。

理想の老後を実現するには、「自分たちにとってのちょうどいい」を見つけることが、何よりも大切なのかもしれません。

コメント