日本テレビ系ドキュメンタリー番組「NNNドキュメント’26」(深夜1:05)では、6月14日にKYT鹿児島読売テレビが制作した「死なせてください…待ってください」を放送する。ナレーションを務めるのは坂本真綾。
テーマは、誰にも看取られず亡くなった「孤立死」。内閣府は2025年に孤立死をした人が2万2222人いたとの推計を公表した。社会問題となってきた孤立死をなくそうと活動しているのが、鹿児島市のNPO法人「やどかりプラス」だ。死に場所を求めて鹿児島へとたどり着いた人や、ホームレス同然の生活を送っていた人ら“行き場を失った人たち”に居住支援を行っている。
支援のほか、当事者同士がつながりを持って互いを見守る“新たな見守りのカタチ”にも取り組む。番組では全てを失った人たちが再び“つながり”を得て人生を取り戻す、新たな見守りで孤立死ゼロを目指す活動を追った。
鹿児島読売テレビでは、孤立死をめぐる問題を継続取材しており、2025年11月には「NNNドキュメント」で「なぜあなたは独りで逝ったのですか?―孤立死2万人の時代―」を放送した。今回は同じテーマを追った2回目となる。
かつて広告業に従事していた大阪出身の寺尾真次さん(45)は、徐々に人間関係が疎ましくなって自暴自棄に。家族と離れ、死に場所を求めるように鹿児島へとやって来た。「孤立死予備軍」だった寺尾さんが出会ったのが「やどかりプラス」。社会から孤立した人たちへの居住支援に感銘を受け、今では職員へ転身。生活を支えられる側から支える立場となった。鹿児島市出身の山下剛さん(仮名・51)は営業職として働きながら母の介護を続けていた。だが、母の死を機に人生が暗転し、人との関わりを絶って仕事を辞めることに。家賃滞納の結果、強制退去となり、インターネットカフェで過ごす日々となる。命を絶とうと考えたが死にきれず、たどり着いたのが「やどかりプラス」のシェルターだった。
そこで前述の寺尾さんから支えられ、新たな人生のスタートを切った。72歳で亡くなった宮永勝信さんは、ホームレス状態で「やどかりプラス」と出会う。居住支援を受けながら、周囲の人とつながる「ピアサポーター」として活動した。彼も寺尾さん同様、支えられる側から支える側へと転じた。自分の力でつながった周囲の人に見送られ、孤立死をまぬがれるケースとなった。

やどかりプラスの代表、芝田淳理事長は孤立死ゼロを目標に掲げる。プロの支援員が回る従来の見守りに疑問を抱き“新たな見守り”を提唱。「当事者が自らつながりを持たなければ孤立死は防げない」と考える。LINEグループを活用した見守りや週1回の“居場所サロン”が注目され、安倍晋三元首相の妻・昭恵さんが視察に訪れたこともある。
番組の制作を担当した同局の内田直之ディレクターは、、孤立死が地方都市でも増えており、「『セルフネグレクト(自己放任)』に陥り、自宅で1人で亡くなる若い人も多い状況です。そんな中で、特殊清掃会社を営む男性と出会ったのです。故人やご遺族と真摯に向き合う姿を見て感銘し、『NNNドキュメント’25 なぜあなたは独りで逝ったのですか?―孤立死2万人の時代―』を制作。2025年11月に放送しました」と経緯を明かす。
続けて、「今回は『どうすれば防げるか?』という視点で、孤立死ゼロを目指し、活動するNPO法人を取材することに。すると、死を覚悟した孤立死予備軍から人生を取り戻した多くの方々と出会ったのです。全てを失っても、再び“つながる”ことで、人生は再生できると知りました。人との関わりが希薄な今の時代に孤立死を自分事として受け止めてもらい、防ぐためのヒントを考えるきっかけになれば幸いです」とコメントした。
なお、放送後はTVerでの配信も予定されている。


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