雨空の下、庭や玄関先を彩る、梅雨ガーデンの主役「アジサイ」。青々とした葉とともに色鮮やかな花を咲かせる姿はとても美しいのですが、地植えでも鉢植えでも、数年経つと驚くほど大きく成長します。
「気づいたらアジサイが大きくなっていた…」「なんだかアジサイが窮屈そう…」と感じている方も多いのではないでしょうか。
来年もまた美しいアジサイの花を楽しむためには、花後の「剪定(せんてい)」が欠かせません。 今回は、大きくなりすぎた株を剪定しつつ、切り落とした枝を使って挑戦した「挿し木」の様子を、実際の作業写真とともにレポートしていきます。
※本記事の情報は執筆時点(2026年7月8日)のものです。
※開花時期や生育スピードは、お住まいの地域や育てている環境によって異なりますので、ご注意ください。
※挿し芽や挿し木で増殖して、品種登録された植物を他人に譲渡したり、販売したりすることは、種苗法で禁止されています。あくまで自分で楽しむという目的に限定して挿し芽を楽しんでくださいね。
1. 〈実践レポート1〉大きくなりすぎたアジサイを「剪定」しました
兵庫県神戸市の半日陰の庭に植えっぱなしで育てているアジサイ。年々存在感を増して大きくなりすぎてしまっていたので、思い切って剪定することにしました。
1.1 来年の花を楽しむために「2節目」でカット
LIMOガーデニング部撮影/アジサイ
両手を広げたよりも大きく育っているアジサイの株。葉もとても大きく片手よりも大きいものがほとんどというサイズ感です。
今回は、株を小さくしつつ来年の花も楽しみたいということで、通路にはみ出している部分は根元近くでバッサリ剪定し、それ以外の部分は、先端から数えて2節くらい下の、脇芽が出ているすぐ上でカットしました。
※アジサイには毒性成分が含まれていることがあるため、作業の際は手袋を着用すると安心です。作業後はしっかり手を洗い、お子さんやペットが葉を口にしないよう注意してあげてください。
2. 〈実践レポート2〉アジサイの「挿し木」に挑戦!
剪定した元気な枝を使って、挿し木にも挑戦しました。アジサイは挿し木の成功率が高いというものの、昨年はうっかり水切れさせてしまい失敗してしまったので、慎重に準備していきました。
LIMOガーデニング部撮影/アジサイ
2.1 【カットのコツ】葉っぱを「半分以下」に、枝の切り口は「斜め」に切るのが成功の秘訣
LIMOガーデニング部撮影/アジサイ
アジサイの大きな葉をそのままにしておくと、そこから水分がどんどん逃げて、根が出る前に茎が干からびてしまいます。 そこで、上の葉を2枚残して、それぞれハサミで「半分」の大きさにカットしましょう。
これで水分の蒸発を抑え、発根にエネルギーを集中させることができます。今回の枝は、葉がとても大きかったので、1~2cmほどだけ葉を残して、コンパクトになるよう切ってしまいました。
LIMOガーデニング部撮影/アジサイ
また土に挿す側、アジサイの枝の切り口は、スパッと斜めにカットしておくのがポイントです。断面を斜めにすることで水を吸い上げる面積が広くなり、より効率的に水分を吸収できるようになります。
導管(水の通り道)を潰さないよう、よく切れるハサミやカッターを使うのがおすすめです。
2.2 【水揚げのコツ】活力剤を入れた水で約1時間「水揚げ」しました
LIMOガーデニング部撮影/アジサイ
準備した枝を約1時間、水につけて給水させる「水揚げ」。この水は、もちろん水道水でOKです。ですが今回は昨年の失敗を踏まえて、発根の成功率を上げて失敗を避けるるため、水に必要量の植物活力素(今回はメネデールを使用)を追加しました。
LIMOガーデニング部撮影/アジサイ
大きなアジサイの枝を大量に剪定したので、今回は青い枝の部分を中心に挿し木にしました。木質化している枝でももちろん挿し木にできますので、状況に合わせて挑戦してみてくださいね。
2.3 【植え付けのコツ】清潔な土「赤玉土」と「挿し芽用の土」に植え付けました
LIMOガーデニング部撮影/アジサイ
1時間ほど水に浸けてたっぷりと吸水させたあと、清潔な「挿し芽用の土」や「赤玉土」に挿します。今回は念のため、両方の土にそれぞれ植え付けてみました。ポットは、100円ショップのセリアで販売されているスリット鉢を使用しました。
植え付け後は、直射日光の当たらない明るい日陰で、土を乾かさないように管理していきます。
3. 〈実践レポート3〉挿し木から約1か月後…無事に発根していました!
LIMOガーデニング部撮影/アジサイ
水切れに注意しながら、風通しの良い明るい日陰で管理すること約1か月。葉も生き生きとした状態をキープしており、小さな芽も青々としています。
力を入れて引っ張ってみると、簡単に抜くことができなかったので、そろそろ根が出たかもしれないと、枝を傷つけないよう、周りの土をやさしく移動させてみることにしました。
LIMOガーデニング部撮影/アジサイ
枝を土から取り出してみると、切り口の周辺から、本当に少しだけですが、白い根っこが出てきていました。赤玉土、挿し芽用の土、どちらの枝も根が出てきているようでした。
昨年は失敗してしまいましたが、今年は大成功です。ここまでくれば一安心。元の状態に戻して、もう少し根が張るまで育ててから、ひと回り大きな鉢に植え替えたいと思います。
4. アジサイ栽培で知っておきたい「きほんの3か条」
最後に、アジサイを健やかに育てるための基本もチェックしておきましょう。これからアジサイをお迎えする方はもちろん、挿し木で増やした株を鉢植えや地植えで育てていくときにもチェックしておきたいポイントです。
4.1 きほん その1. 適度な光と風通しが大切。明るい日陰がベスト
アジサイは「日陰の花」というイメージもありますが、実は適度な日当たりも必要です。直射日光が強すぎると葉焼けしてしまいますが、暗すぎると花つきが悪くなります。もし鉢植えで置き場所が選べる場合や、地植えでも選択肢がある場合は、「明るい日陰」や「午前中だけ日が当たる場所」がおすすめです。
4.2 きほん その2. 「水切れ」には注意が必要。水やりは鉢底から流れるくらいたっぷりと
アジサイは葉が大きく蒸散が激しいので、水切れさせると、しおれてしまうので注意が必要です。特に鉢植えの場合は、土の表面が乾いたら鉢底から流れるくらいたっぷりと与えてくださいね。
4.3 きほん その3. 剪定のタイムリミットは「7月まで」
品種にもよりますが一般的なアジサイは、花が終わったあと、夏(8月頃)には来年の花芽を作り始めます。そのため、秋以降に強く切り戻してしまうと、来年の花芽まで切り落としてしまうことになります。
剪定は「花が色褪せてきたらすぐ」、遅くとも7月中に終えるようにしてくださいね。
5. ひと手間かけて、アジサイを長くたくさん楽しんでみませんか
今回は大きく育ってしまったアジサイを剪定して、新しい株を育てる挿し木に挑戦した様子をレポートしました。
剪定でリフレッシュした親株とともに、挿し木から育って無事に根付いた小さな株たちも、枯らすことなく数年後に花をさかせてくれるよう、注意して育てていきたいと思います。
今の時期にしかできない特別なアジサイのお手入れ、みなさんも挑戦してみてはいかがでしょうか。
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著者
株式会社モニクルリサーチ メディア編集本部
LIMO編集部記者/編集者/ライフ・ガーデニング・DIY担当
福岡県出身。東京の園芸専門の版元や総合出版社などに在籍し、約15年にわたりガーデニングをはじめとする住まい・暮らし分野の実用書の企画編集・ライティングに携わる。その後、くらしとお金の経済メディア「LIMO(リーモ)」に参画。中学校・高等学校教諭一種教員免許(国語科)保有。
現在は兵庫県神戸市在住、2児の母。室内で50鉢以上の観葉植物と暮らすほか、自宅にある半日陰の庭や、厳しい西日が当たるベランダで試行錯誤しながらガーデニングを実践中。好きな植物はレモンユーカリ、ユーフォルビア。古い一軒家の壁紙や床の張り替え、木材を使った収納棚づくりなど修繕・DIYを通じて、植物とともに暮らす空間づくりを探求している。さらに照明器具の配線など、より本格的な住環境の整備を目指して国家資格「第二種電気工事士」を取得。
100円ショップやコメリなどの身近なアイテムを活用した商品レビューやガーデニング実践レポートなど、リアルな実体験に基づく、信頼性の高い丁寧な記事づくりに努める(2026年7月8日更新)。
監修者
株式会社モニクルリサーチ
樹木医の鈴森真樹を中心に、日本園芸協会認定ガーデンコーディネーターや第二種電気工事士などの資格保有者などを含めたメンバーで構成される、株式会社モニクルリサーチ運営の『LIMO(リーモ)〜くらしとお金の経済メディア〜』のガーデニング企画担当チームです。
季節の寄せ植えや、初心者でも育てやすい多年草・宿根草、季節を彩る一年草など草花の情報から、室内で1鉢から楽しめる観葉植物や多肉植物のこと、ベランダ栽培もできるハーブや野菜などの家庭菜園企画まで、幅広いガーデニング情報をお届けしています。
ガーデニング関連書籍の企画・編集などの経験者、初心者ガーデナーなどの各メンバーが、それぞれの視点を生かした企画を担当しています。(2026年3月23日更新)。




















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