テレビで「昭和・平成」懐古番組が増えすぎているのはなぜ? | きばいやんせ!鹿児島

テレビで「昭和・平成」懐古番組が増えすぎているのはなぜ?

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もうひとつあるのは「演出面でのメリットが意外とある」ということですよね。まず、幅広い年齢層のタレントを雛壇に集めてスタジオトークさせるのにもってこいな題材だということが挙げられます。飲み会で昔話が盛り上がるのと同じ理屈で、ベテランタレントはあれこれ昔の思い出を語ることができるし、若手はトンチンカンな間違ったことを言えば盛り上がります。だからキャスティングがしやすい。
あと、昔の映像には結構トンデモナイものが映っていたりしますから、コンプラ的にもちょっと大胆なモノが見せられます。「こんなことは今ではアウトですが、昭和はおおらかでしたね」とか言っておけば、今ではありえないようなNGものでもなんとなく許されちゃいます。それを面白がれるのは大きいかもしれません。
このようにまあ、懐古番組は「安くてオイシイ」わけではありますが、あまりにもやりすぎてしまって、かなり食傷気味になってますよね。よほどの切り口でもないと、もう難しくなってくるのでしょう。

あー、メチャメチャ多いですよね懐古番組。増えているのにはいろいろな理由があると思いますが、中でもひとつ大きいのが「報道アーカイブは安くて便利」ということでしょう。どこの局も開局以来ずっとニュースのために映像を撮りだめていますからね。それに開局以前の映像も「ニュース映画フィルム」という形で放送局の関連会社が権利を持っていることも多いんです。テレ朝の場合だと子会社の「テレビ朝日映像」は元々朝日新聞のニュース映画を撮影していた会社ですので、じつはテレ朝本体より古い会社だったりしますしね。そうした大量のニュース映像のアーカイブを有効活用しない手はないんです。
で、こうしたニュース系の映像は使用しても基本お金はそんなにかかりません。あと、きちんと整理して保管されてますので、キーワードで検索すれば探すのも簡単です。手軽かつ安上がりに番組を作ろうと思ったらこれはまさに「宝の山」なんですよ。
しかも、最近は若い人の間で「昭和・平成ブーム」がきているということですから、こうした映像を使えば「ひょっとしたら若い人も見てくれるんじゃないか」という淡い期待もあるわけです。まあ、実際にはそんなに若い人は見てないと思いますけど、それでもスポンサーに「昭和の映像は若い人にもヒキがありますよ」とプレゼンすることはできるわけですから。そして、実際にテレビをバリバリ見ているお年寄りは懐かしがって喜んで見てくれますので良い事ずくめです。

 

鎮目博道テレビプロデューサー、コラムニスト、顔ハメ旅人

テレビプロデューサー、コラムニスト、顔ハメ旅人。テレビ朝日で社会部記者を経て、報道・情報系を中心に番組ディレクター、プロデューサーを務め、ABEMAの立ち上げに参画。2019年8月に独立。近著に『アクセス、登録が劇的に増える!「動画制作」プロの仕掛け52』(日本実業出版社)、『腐ったテレビに誰がした? 「中の人」による検証と考察』(光文社)、メディアリテラシーについての絵本『それウソかもよ? うちゅうじんがやってき た!のまき』

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