携帯電話の普及にともない、電話は“一家に一台”から“ひとり一台”の時代に。そんな今、固定電話を持つ人はどのくらいいるのでしょうか。また、解約して困ったことはあるのでしょうか。「女性セブン倶楽部」のアンケート調査から見ていきます。(※10代~90代の男女1752人を対象に実施)
固定電話を保有している人の割合は?

【グラフ】Q. 固定電話を保有していますか?
まず、固定電話を持っているか聞いたところ、結果は次のとおり。
今も持っている・・・57.4%(1006人)
かつて持っていたが、今は持っていない・・・22.5%(394人)
これまで持ったことはない・・・20.1%(352人)
固定電話を保有している人が過半数を占める一方で、手放した人とそもそも未所有の人を合わせると約4割にのぼります。
総務省が発表した「令和6年通信利用動向調査の結果」によると、固定電話を保有している世帯の割合は54.9%。今回のアンケート結果も、ほぼ同じ水準であることが分かりました。
ただし、固定電話を保有する割合は令和に入って以降、減少傾向が続いています。この流れを踏まえると、今後さらに“固定電話離れ”が進んでいく可能性もありそうです。
固定電話を解約して、不便だと感じたことがある人の割合は?

【グラフ】Q.固定電話を解約後、不便だと感じたことはありますか?
続いて、固定電話を「かつて持っていたが、今は持っていない」と回答した394人に、解約後に不都合を感じたことがあるかをたずねました。
ある・・・31.0%(122人)
ない・・・47.2%(186人)
無回答(非有効回答を含む)・・・21.8%(86人)
じつに半数近くの人が「固定電話を解約して不都合だったことはない」と回答する一方で、約3割は何かしらの不都合を感じたと回答しました。では、具体的にどのようなデメリットを感じたのか見ていきましょう。
1:FAXが使えなくなった

FAXが使えなくなった(写真/PIXTA)
「1番はFAXが使えなくなったことですかね。コンビニまで行き、FAXを使うのも大変になりました」(女性39歳)
「FAXだけは残したかったと残念に思います」(女性57歳)
「一時FAXが使えなくて不便だったこともあるが本当に一時だけ」(女性52歳)
もっとも多かったのが、「FAXが使えなくなった」という声。携帯電話でもデータを送り合うことはできますが、紙で確認できる手軽さや安心感はFAXならでは。デジタル時代といえど、FAXのアナログの便利さを実感する人は少なくないようです。
2:連絡が取りづらくなった・疎遠になった人がいる

連絡が取りづらくなった・疎遠になった人がいる(写真/PIXTA)
「疎遠になった。距離も遠く、続柄も遠い親類と連絡がお互いに取れなくなったので、相続関連の連絡ができない」(女性56歳)
「義両親はいつも固定電話にかけてきていたから、連絡手段が携帯電話だけになり戸惑っている。連絡が取れにくくなった」(女性48歳)
「自分の番号やメアドも伝えていない友人と疎遠になったままであること」(女性38歳)
「遠い親戚などとの連絡手段がなくなった」(女性46歳)
「自分の番号を伝えていない知人から連絡がつかないとクレーム」(女性68歳)
携帯電話の番号を知らせておかなかった相手とは、固定電話を解約した途端に連絡が取れなくなるケースも。さらに、固定電話がなくなったことで、関係が疎遠になってしまったとの声もありました。個人に直接つながる携帯電話は便利ですが、それゆえ“気軽にかけにくい…”という心理が働くのかもしれません。
3:フリーダイヤルにかけられないことがある

フリーダイヤルにかけられないことがある(写真/PIXTA)
「一部のフリーダイヤルは携帯電話からかけられない、あるいは、携帯電話からかけると有料になる場合があり、不便に感じた」(女性47歳)
「企業に問い合わせる時に、通話料が無料のフリーダイヤルが使えないこと」(女性53歳)
フリーダイヤルとは、発信者ではなく、受けた側が通話料を負担する電話番号サービスのこと。問い合わせ窓口や通信販売の申し込みなどで広く利用されていますよね。現在は、携帯電話からでも無料でかけられるのが一般的ですが、一部の回線や番号の種類によっては利用できないケースもあるようです。
4:固定電話よりも携帯電話の通話料が割高になるケースも
一般的に、固定電話同士なら通話料は安く済みますが、固定電話をやめて携帯電話に変えたことで、通話料が割高になったという人もいました。
「固定電話しか使用していない年配の方と携帯電話で連絡を取ると、通話料が割高になった」(女性58歳)
「携帯電話の通話料金が高く、固定電話の通話料金のほうが抑えられるので、長電話になりそうな時にあれば良かったなと後悔しました」(女性63歳)
「市内通話はスマホの方が割高」(男性39歳)
かつて、携帯電話の方が固定電話よりも通話料が高い、というイメージが一般的でしたが、近年は、携帯電話の契約プランにかけ放題サービスなどが登場。かける相手や頻度によって、携帯電話の方が割安となる場合もあります。まずは、自分に合ったプラン探しが大切ですね。
5:“携帯電話探し”ができなくなった

“携帯電話探し”ができなくなった(写真/PIXTA)
「携帯電話を置いた場所が分からなくなった時、固定電話からかけて探すことができなくなった」(女性50歳)
「自分のスマホが見つからない時に固定電話から鳴らして探していたが、それができなくなった」(女性38歳)
家の中で「スマホどこやったっけ?」と探し回ることの多い筆者。固定電話があればな…と感じる場面もあります。現在は、家中で「ヘイSiri!」と音声アシスタントに呼びかけて回り、なんとか見つけられています(笑)。
6:携帯電話が使えない時の連絡手段がなくなった

携帯電話が使えない時の連絡手段がなくなった(写真/PIXTA)
「確実に着信できる電話がなくなった。スマホだとバッテリー切れや、電波が悪くて電話を受けられないときがある」(男性39歳)
「被災した際、固定電話の方がつながりやすいというのが本当であるならば置いておくべきだったかな」(女性59歳)
「電波障害などで携帯電話が使えなかった時、連絡が取れずに怖かった。もし家族に急病人が出たら…などと不安を感じた」(女性64歳)
「スマホのバッテリーがなくなってしまい、連絡したいときに相手の電話番号が分からなかった。固定電話があったときは番号を覚えていて誰かに連絡できていた」(女性43歳)
「携帯電話が壊れた時、相手の連絡先を控え忘れているともう連絡がとれなくなる」(女性44歳)
「子どもにはまだ携帯を持たせてないので、自分が出かけていて家に電話したいときに自宅にかけられない」(女性44歳)
携帯電話はどこからでも電話がかけられてとても便利ですが、バッテリー切れや故障などで、いざという時に使えなくなるリスクもあります。また、連絡先は携帯電話任せで、自分はまったく覚えていない…というのも筆者だけではないはず。回線の種類によっては停電時に使えない固定電話もあるようですが、“もしもの時の連絡手段”という安心感はたしかに貴重かもしれません。
7:連絡先の変更手続きが面倒だった
「解約前の番号変更手続きを忘れてしまい、本人確認ができずネットバンクが使えなくなってめちゃくちゃ不便だった」(女性45歳)
「クレジットカードやいろいろなものの登録情報を変えるのが大変でした」(女性71歳)
「固定電話を使わなくなったら、サイトの登録先の電話番号をすべて変更しなければならなかったので面倒でした」(女性50歳)
各種サービスの登録に固定電話の番号を使っている場合、解約後は登録情報を変更しなければなりません。1回でまとめて変更できたらいいのですが、そうもいかず…。地味な手間を負担に感じたとの声が聞かれました。
8:携帯電話だと社会的信用が低いと感じる時があった

携帯電話だと社会的信用が低いと感じた人も(写真/PIXTA)
「固定電話を記入しないと応募できない懸賞がありました」(女性34歳)
「当時、固定電話を持っていないと、契約に不利だった」(女性52歳)
「20年くらい前ですが、通販でお買い物をした時、携帯電話しか持っていないと支払いが代引のみで、だいぶ不便でした。固定電話を持っていれば、商品受取後のコンビニ払いができたようです」(女性49歳)
「固定電話がないと信用されないと思ったことがありますが、今は全然感じないです!!」(男性56歳)
かつては、銀行の融資やローン審査の時に、固定電話の有無が“社会的信用”の指標となっていたこともあるようです。ただし、「現在はそう感じない」とコメントにもあるように、携帯電話が普及した今、その感覚は薄れているのかもしれません。
9:連絡先に携帯電話の番号を記入したくない・気後れする

連絡先に携帯電話の番号を記入したくない・気後れする
「書類を書く時に固定電話の番号なら個人情報ではないが、携帯電話の番号しか書けないと、個人情報なのであまり書きたくないと思った」(女性24歳)
「携帯電話の番号を教えたくない人にも教えないといけない」(女性50歳)
「使わないにしても、固定電話がないのは何か書類を書く時に気まずい感じがします」(女性56歳)
「学校の連絡網や役所の書類などで“固定電話”の記入欄があると、少し気後れすることがあります」(女性36歳)
家族で共有する固定電話とは違い、携帯電話は個人が保有するもの。個人情報だからこそ、番号をむやみに書きたくない…と感じる人がいました。また、固定電話=社会的信用のイメージからか、携帯電話の番号だと気後れする…という人もいました。
10:怪しい電話がすべて携帯電話にかかってくるようになった

怪しい電話がすべて携帯電話にかかってくるようになった
「面倒な電話も全部スマホにかかってくる」(女性45歳)
「各種契約の連絡先を携帯番号にしなければならなくなったことで、携帯電話に営業の電話がくるようになった」(女性38歳)
「固定電話を解約して不都合はなかった」と回答した人の多くは、迷惑電話が減ったことを理由に挙げていました。しかし、登録先を携帯電話に変えたことで、営業電話や不審な着信がかかってくるようになった、という人も。このご時世、知らない番号からの着信はつい身構えてしまいますよね…。
その他にもこんな声が
「心残りは当時高い金額で購入した『電話加入権』。資産になると言われたけれど、結局放置して1円にもならず。返して欲しいと切実に思う。大学生になりたての一人暮らしの時に、7万円以上の出費はとても痛かったのを覚えています」(女性51歳)
「高齢の母がスマホに出てくれないときにイライラした」(女性61歳)
「家の誰かが気付けば電話を取ってくれることがなくなったこと!スマホは本人だけ!」(女性54歳)
かつて、固定電話を引くのに必要だった「電話加入権」。当時は“資産になる”と考えられていたようですが、携帯電話などが普及してその価値は低下。取得しても活用されないままであることに後悔した…という人もちらほらいました。
以上、「固定電話」の保有率と解約後のデメリットについてご紹介しました。
固定電話を手放した人のコメントを見ると、いずれも激しく後悔するレベルではなく、“多少の不便さを感じるけれど、なくても困らない”という程度の印象でした。
なお、NTT東日本およびNTT西日本は、メタル回線(銅線)を用いた固定電話のサービスを2035年頃に終了すると発表しました。光回線などに移行するのか、はたまた固定電話をなくすのか…。迷っている方は、今回のアンケートの声を参考にしてみてはいかがでしょうか。
【参考】
・総務省「令和6年通信利用動向調査の結果」https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/statistics/data/250530_1.pdf


コメント