

江戸時代に日本中を測量した伊能忠敬が「天下の絶景」と称賛した鹿児島県南九州市頴娃(えい)町の番所(ばんどころ)鼻に、新たなキャンプ施設がオープンした。目玉は公園の樹木をそのままいかしたツリーハウス。五感で自然を体感できる新スポットとして注目を集めそうだ。
番所鼻は、東に開聞岳を望む東シナ海に面した景勝地。9月6日、施設のモニター利用に応募した鹿児島市の2組の家族がキャンプを楽しんだ。子どもたちは、木陰が気持ちいい森の中のボードウォークを三輪車で走ったり、木にかけられたブランコを揺らしたりして遊んでいた。
夕食は備え付けのグリルでバーベキュー。持参した秋の味覚のサンマ、ナスやオクラなどの野菜、牛肉などを楽しんだ。鹿児島市の会社員佐藤直生さん(29)は「炭火で焼いたサンマはおいしい。波の音と虫の鳴く音がいいスパイスになっている」と満足げに話した。
キャンプ施設は、8月にリニューアルオープンした番所鼻自然公園の一部。一般利用は10月から開始予定。1日2組限定で予約サイトで受け付ける。料金は4人利用で平日2万2千円、土日祝日は2万7500円など(いずれも税込み)。
番所鼻一帯では2010年ごろから官民が連携して新しい公園づくりを模索。「遊べる、稼げる、つながる」をテーマに、多彩な表情が楽しめる空間になるよう自然公園を大幅に改修した。財源は国の地方創生関連の交付金と、県の魅力ある観光地づくり事業補助金を活用。昨年4月には海の見えるカフェが先行オープンし、昨年の来園者は09年(約1万5千人)の13倍を超える約20万人に達したという。
施設運営に携わる市地域おこし協力隊の山本昇平さん(32)は「広場の芝生に寝転んで星空を観察したり、森で野鳥を観察したり、開聞岳と東シナ海の絶景を楽しんだりして、海と森の調和を実際に体感してもらいたい」とアピールしている。


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