
記者団の取材に応じる自民党の岩屋毅前外相=4月9日午後、党本部(奥原慎平撮影)
自民党は9日、党本部で日本国旗を侮辱目的で傷つける行為を処罰する「日本国国章損壊罪」創設に向けたプロジェクトチーム(PT)の会合を開いた。岩屋毅前外相は立法事実がないとの考えを示し、「政治的なアピールのための立法の恐れがある。一部の人々の心情に訴えるための立法は憲法が保障する内心の自由、表現の自由に照らして適切ではない」と語った。
「国民意識に萎縮効果」
PT会合後、岩屋氏が記者団に明らかにした。この日、PTでは12人が発言したという。岩屋氏は「『立法事実がある』と言った人はいなかった」と述べ、「幸いにわが国は国旗・国歌を尊重する意識は幅広く共有されている。そういうこと(=国旗を毀損する行為)が今あちらこちらで起こっているならいざ知らず、そうではないなら、あえてこの時期に立法するのは国民の意識に萎縮効果を与える恐れもある」と語った。
記者団から「表現の自由であっても国旗を傷付ける行為が許されるわけではないのではないか」と尋ねられると、「すべての権利は無制限ではない。公共の福祉に照らさなければいけないのは当然だ」と応じた。
一方、PT事務局長を務める鈴木英敬衆院議員は会合後、日本国旗の保護に向け「なんらかの法制化が必要だと法制化を前提としておっしゃる意見が大半だった」と振り返り、「議論を進めるうえで、個人の内心に立ち入るもの、思想・良心の自由に反するものではなく、表現の自由を損なうようなことはない、と意見が一致している」と語った。「立法事実がないといった人は1人だけだった。今回はそもそも立法事実の議論をしていない」とも語った。(奥原慎平)


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