皇族の数が足りない日本、女性天皇はなぜ認められないのか | きばいやんせ!鹿児島

皇族の数が足りない日本、女性天皇はなぜ認められないのか

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天皇誕生日の一般参賀に臨む天皇、皇后両陛下、秋篠宮ご夫妻、愛子内親王、佳子内親王、悠仁親王=2月23日、皇居/The Asahi Shimbun/Getty Images via CNN Newsource

東京(CNN) 日本には初の女性首相が誕生したが、その政権が皇位継承の危機を回避しようと取り組む法改正によって、女性が天皇になる可能性はますます狭まりそうだ。

日本で現在、皇位継承権を持つのはわずか3人で、そのうち2人は60歳を過ぎている。皇室が直面する継承問題は深刻だ。

これまでの数百年間、皇位は男系男子だけが受け継いできた。ビジネスや政治などの分野でも男性優位で、家父長制の色が濃い日本社会のイメージ通りだ。

世界最古の王朝とされる日本の皇室だが、ここ数十年は男児より女児の誕生が多く、皇位継承を男系男子に限定した規定によってその存続自体が脅かされている。

政府は継承者不足の解決策として、旧宮家の男性を皇族に復帰させることで継承資格のある男子を増やすという改正案を閣議決定し、国会に提出した。

これに対して研究者や野党政治家、一部の市民らは「単に女性天皇を認めればいいだけでは」と首をかしげている。

「合理的根拠はない」

中央大学で皇位継承論を研究する大川真教授は、女性の天皇を認めないとする考え方に合理的な根拠はないと語る。

その昔、次に皇位を継ぐ男性皇族がまだ幼かった場合などに即位した女性天皇は8人いたが、明治時代の1889年に女性天皇を公式に否定する旧皇室典範が制定された。

ただし憲法は女性の即位を禁止していないと、大川氏は指摘する。同氏は、女性の排除を「日本の伝統」では片づけられないとも語った。

同氏はさらに、女性を天皇になれない人としてあらかじめ除外することは、明白な女性嫌悪とみなすべきだと示唆した。

これまでさまざまな世論調査で、国民の大半は女性天皇容認の立場を示してきた。

日本在住のサカクラ・カナ氏は、英国など欧州諸国には女性君主の長い歴史があることに言及した。

サカクラ氏はまた、他国と比べてみれば、日本にはまだ確かに女性が社会でリーダーの座に就くことを嫌う雰囲気があるような気がすると語った。

6月26日、天皇、皇后両陛下を乗せて羽田空港に到着する航空機に向かい手を振る秋篠宮ご夫妻と高市早苗首相/Kyodo News/Getty Images via CNN Newsource

6月26日、天皇、皇后両陛下を乗せて羽田空港に到着する航空機に向かい手を振る秋篠宮ご夫妻と高市早苗首相/Kyodo News/Getty Images via CNN Newsource

しかし女性の皇位継承を求める声はあまり広がらず、継承を認める法改正に対しては高市早苗首相と与党・自民党が先頭に立って強い抵抗を示してきた。

高市氏は今年初めの国会審議で、皇位継承を「男系男子に限ることは適切」との考えを示した。

政府の皇室典範改正案は、今月中に国会で可決される見通し。その中に内親王が天皇に即位するシナリオは含まれていない。内親王が民間人と結婚した場合に生まれる子どもも同様だ。皇族の数が減っている今、結婚相手が民間人になることはほぼ確実とみられる。

皇族は主に儀礼的な役割を担っているが、神話に登場する太陽の女神「天照大神(あまてらすおおみかみ)」の子孫とされ、国民統合の力強い象徴と位置づけられてきた。

米国務省歴史部によれば、第2次世界大戦直後の日本占領を統括したダグラス・マッカーサー米陸軍元帥は、電報の中で天皇を「日本の全国民を統合する象徴」と呼び、抹殺すれば日本国家は解体されるだろうと述べていた。

縮小した皇室

戦前の日本では継承者探しもそれほど難しくなかった。

当時は皇族の人数がもっと多く、直系の跡継ぎが生まれなかった場合は宮家と呼ばれる傍系の男性たちが候補となった。

ところが1947年にすべてが変わった。日本が戦後の経済復興に苦しむなか、皇室典範が改正されて皇族の規模が縮小し、皇室予算が削られた。

皇族は事実上、昭和天皇の近親者に限定され、11の宮家は離脱した。これが現在の皇族不足につながる背景となった。

1947年の皇室会議で皇籍離脱した旧宮家の人々/Bettmann Archive/Getty Images via CNN Newsource
1947年の皇室会議で皇籍離脱した旧宮家の人々/Bettmann Archive/Getty Images via CNN Newsource

当初は67人だった皇族は16人まで激減した。女性皇族が民間人と結婚した場合は皇籍を離れるという規定によって、減少に拍車がかかった。

政府の提案は、皇族が旧宮家から、15歳以上の独身で子どものいない男子を養子に迎えることを認める内容だ。その子孫には皇位継承資格が付与される。

66歳を迎えた今上天皇の一人娘、愛子内親王は国民から広く支持されているものの、現行法では女性であるという理由で皇位を継承できない。現在24歳で子どもはいないが、もし息子がいたとしてもその子に継承資格はない。

皇位継承権を持つのは、今上天皇の叔父にあたる90歳の常陸宮正仁親王、弟で60歳の秋篠宮文仁親王。そして最も可能性の高い3人目が、文仁親王の長男で19歳の悠仁親王だ。男性皇族が18歳の成年に達したのは40年ぶりのことだった。

今年の新年一般参賀で訪れた人たちに手を振る悠仁親王/Issei Kato/Reuters

今年の新年一般参賀で訪れた人たちに手を振る悠仁親王/Issei Kato/Reuters

近年の皇族は人数が減り、高齢化も進んで公務の負担が大きくなってきた。新たな改正案が成立すれば、女性皇族が民間人と結婚した後も皇族に残り、公務を続けられるようになる。ただし、その息子が皇位継承資格を得ることはない。

中央大の大川氏はこれについて、短期的な手当てにすぎないとの見方を示した。限られた男性継承者とその息子たちに大きく依存する結果になるからだ。

同氏は、女性が皇位継承から除外され続ける限り、継承の根本的な安定性を確保することは難しいだろうと述べた。

伝統への配慮

だが一方で、女性による皇位継承を、日本に安定をもたらしてきた伝統の根幹にかかわる問題ととらえる人々もいる。

旧宮家出身の竹田恒泰氏はCNNとのインタビューで、自身のように伝統的な男系を維持するべきだと考える立場からみると、女性天皇は明確なリスクだと語った。

竹田氏はすでに結婚しているため、改正案が定める「養子」にはなれないが、息子は15歳に達すると対象になり得る。ただ、同氏は息子に会社を継いでほしいと考えている。

インタビューに答える旧宮家出身の竹田恒泰氏=2006年2月16日撮影/Toru Hanai/Reuters via CNN Newsource
インタビューに答える旧宮家出身の竹田恒泰氏=2006年2月16日撮影/Toru Hanai/Reuters via CNN Newsource

竹田氏の父は1947年の皇室典範改正が施行された数カ月後に生まれ、皇位継承者の資格をぎりぎりのところで得られなかった。同氏はこれまで書籍やSNS、大学での講演などを通し、男系を守って旧宮家を皇族に復帰させるべきだと訴えてきた。

同氏は、伝統を人気投票によって覆すべきではないと示唆する。

たとえ民主的な多数決だとしても、小差で決まった場合に国民の一部がその天皇を認めようとしなければ、天皇が尊敬を集めることはできず、日本の根幹を揺るがすことになると、同氏は懸念する。

これに対して日本在住のクボタ・アキオ氏は、女性天皇は過去にもいたと反論する。

クボタ氏は現代の世界に広がるジェンダー平等の考え方に着目し、天皇の役割だけが男性に受け継がれなければならないというのは少しおかしいような気がするとの認識を示した。

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