2025年、いわゆる「団塊の世代」の方々がすべて75歳以上の後期高齢者となり、日本の超高齢社会はいよいよ本格的な段階を迎えました。
こうした背景のなか、お庭のあるご実家を相続された方や、親御さんがご入院されたり、体力的に土いじりが難しくなられたりして、実家のお庭のお手入れ問題に直面する方もいらっしゃるでしょう。
誰も住まなくなった「空き家」や、手入れが難しくなった「お庭」の管理は、ご家族の温かい思い出が詰まっている場所だからこそ、頭を悩ませる問題ですよね。
しかし、そのままにしておくことは見た目だけの問題ではありません。害虫の発生や防犯面の不安、さらには自治体からの指導や増税のリスクまで潜んでいます。
この記事では、園芸のプロが推奨する「管理負担を和らげてくれるグランドカバー」を中心に、いよいよ明日、2026年4月から始まる新しい登記ルールについても解説します。
この記事のポイント
1. 【園芸のプロ監修】草むしりの手間を減らすグランドカバー3選
広い範囲を効率よく覆い、毎日の草むしりの負担をそっと軽くしてくれる、丈夫でたくましい3つの植物たちをピックアップしてみました。
1.1 春の彩りとカバー力「シバザクラ(芝桜)」
春になると、地面を覆うように可憐な花を咲かせるシバザクラは、横に広がる力が強く、グランドカバーとして非常に優秀です。暑さや寒さ、乾燥にも強く、やせた土でも育ちやすいのが魅力で、お日様がよく当たる水はけの良い場所が大好きです。
お花が終わったあとに、少し散髪をするように軽く刈り込んであげることで風通しが良くなり、夏の蒸れ対策にもなります。梅雨など湿気が多い季節は蒸れやすいため、水はけの良い環境を整えてあげましょう。
1.2 手間を減らしたいなら「クリーピングタイム」
地面を這うように広がり、しっかりと密度が出るハーブ系のグランドカバーです。雑草を抑える力が強く、根付いてしまえば比較的丈夫でたくましく育ってくれるため、「できるだけ手間を減らしたい」という方に向いています。
踏むとほのかに爽やかな香りが広がるのも嬉しいポイントです。日当たりの良い場所を好み、新しい環境に慣れるまではお水をたっぷりとあげますが、根付いてしまえば自然の雨だけでも元気に育ってくれる頼もしいハーブです。
人が頻繁に歩く場所では緑が薄くなることもありますので、あまり踏み入れない場所で広げさせると良いでしょう。
1.3 一年中「手入れされている感」を出す「這性ローズマリー」
地面を這うタイプのローズマリーは、常緑で一年中美しい緑を保ってくれるのが特徴です。冬枯れの季節でもお庭が寂しくならず、「きちんと管理されている」という清潔感を与えてくれます。
乾燥にはとても強いのですが、ジメジメした環境は少し苦手です。お水がスッと引くような、水はけの良い特等席を用意してあげてくださいね。お花を長く楽しめるのも魅力の一つです。
2. 植物のお世話が難しい場合の選択肢
「水やりに通えない」「できるだけ自然のままにしておきたい」といった場合は、無理に植物にこだわる必要はありません。
防草シートの上に人工芝を敷く方法は、見た目の緑を保ちながら管理の手間を大きく減らせるため、「お庭の雰囲気は残したいけれど手入れは難しい」という方に向いています。
また、防草シートと砂利を組み合わせる方法は、コストと手間のバランスが良く、現実的な選択肢として多く選ばれています。
歩くと「ジャリッ」と音がするため、防犯面での安心感にもつながりますね。コンクリートで固めてしまう方法もありますが、「できるだけ自然な雰囲気を残したい」という方には、こうしたシートと砂利の組み合わせの方が取り入れやすいでしょう。
3. 防犯と景観を両立させる「プラスアルファ」の植栽
雑草対策という実用面に加え、お家を守る機能や、お庭の景色を整える美しさを備えた植物もあわせてご紹介します。
3.1 メギ(目木)
窓の下などに植えることで、その鋭いトゲがお家をやさしく守るガードマンの役割を果たしてくれます。カラーリーフとしても美しく、お庭の彩りにもなります。ただし、人がよく通る場所や隣地との境界付近に植えると、服に引っかかったりケガの原因になることがあるため、場所選びには少し配慮が必要です。
3.2 タマリュウ(玉竜)
日陰にも強く、和の趣を感じさせる落ち着いた緑で、足元を静かに彩ってくれます。和風・洋風どちらのお庭にもなじみやすく、手入れの負担も比較的少ないのが特徴です。
ゆっくりと成長するため、これだけで広い面積の雑草を防ぐには少し時間がかかります。雑草対策として取り入れる場合は、防草シートと組み合わせるなどの工夫をしてあげると、より健やかに育ち効果的です。
4. 【重要】ほったらかしは要注意!知っておきたい「法律・税金」の最新リスク
ご実家の管理を後回しにしていると、2026年現在、以下のような法的なリスクに直面します。
4.1 改正空き家法による増税リスク
2023年の法改正により、適切な管理がなされていない「管理不全空家※1」も行政の指導対象となりました。
雑草の繁茂や枝の越境を放置し、自治体から「勧告」を受けると、住宅用地特例による固定資産税の優遇措置が解除され、税負担が大幅に増える可能性があります。
さらに深刻なのは、その後の「命令」に従わない場合に最大50万円の過料(罰則)が科されることや、自治体が強制的に草刈りや撤去を行う「行政代執行」が行われるリスクです。
この場合、作業にかかった多額の費用はすべて所有者に請求されます。「まだ大丈夫」と先送りにせず、早めにグランドカバーなどの対策を検討することが、大切な資産を守る第一歩となります。
※1「管理不全空家」とは:放置すれば倒壊等の危険がある「特定空家」になる恐れがある、管理が不適切な空き家のこと。
4.2 【2026年4月1月施行】住所・氏名の変更登記が義務化
2024年の相続登記義務化に続き、いよいよ2026年4月1日から「住所や氏名の変更登記」も義務化されます。以下のポイントは必ず押さえておきましょう。
- ルール:住所等に変更があった日から2年以内に登記申請が必要。
- 罰則:正当な理由なく怠った場合、5万円以下の過料の対象となる可能性。
【超重要】過去の変更も対象です
今回の法改正で最も注意すべきは、「施行日(2026年4月1日)より前に住所を変えた人」も対象になる点です。すでに引っ越し済みの場合でも、令和10年(2028年)3月31日までに変更登記を済ませる必要があります。
5. 手続きの負担を軽減する「スマート変更登記」も活用しましょう
2026年4月からの登記義務化に伴い、将来また引っ越しなどで住所が変わった際の手続きの負担を減らすため、「スマート変更登記」という新しい制度も開始されます。
これは、事前に一度法務局へご自身の情報(検索用情報)を申し出ておくことで、その後住所などに変更が生じた際、法務局が住基ネットなどを参照して新しい住所を確認し、ご本人の了解を得た上で不動産の登記簿を書き換えてくれる仕組みです。
- 手続きの手間を削減:引越しのたびに、ご自身で一から登記申請の書類を作成する手間が省けます。
- 申請漏れの防止:法務局からの通知をきっかけに手続きを進められるため、うっかり変更を忘れて過料の対象になるリスクを防ぎやすくなります。
- オンラインで事前申出が可能:事前の申出は無料で、マイナンバーカード等を用いてパソコンやスマートフォンから手続きが可能です。
防草シートや植物の力を借りてお庭の管理負担を減らすのと同じように、こうした公的な仕組みの存在を知っておくことも、ご実家の管理に関する精神的な負担を和らげることにつながります。ご自身の状況に合わせて、活用を検討してみてはいかがでしょうか。
※この記事は再編集記事です。
参考資料
- LIMO「実家の庭、放置していませんか?後悔しない「ゆるやかな庭じまい」&お手入れ楽ちんな多年草5選」
- 空家等対策の推進に関する特別措置法(e-gov法令検索)
- 政府広報オンライン「空き家の活用や適切な管理などに向けた対策が強化。トラブルになる前に対応を!」
- 法務省「住所等変更登記の義務化特設ページ」
LIMOガーデニング部









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