「住民税非課税世帯」って、ニュースでよく聞くけれど、実は自分が対象になるのかよく分からないまま済ませている人も多いのではないでしょうか。
近年は物価高対策の給付金の対象となることが多く、「住民税非課税世帯」という言葉を耳にする機会も増えました。
しかし、対象となる条件や利用できる制度については、「自分は該当するのか分からない」という人も少なくありません。そこで本記事では、住民税の基本的な仕組みと、非課税となる条件について、初心者の方にも分かりやすく解説します。
1. 「住民税非課税世帯」の条件とは?この記事の3つのポイント
2. 【住民税の基本を整理】住民税非課税世帯となる要件
まずは住民税の仕組みと、住民税非課税世帯の考え方を整理します。
住民税は、都道府県や市区町村へ納める地方税で、行政サービスや公共施設の整備などを支える財源となっています。
住民税は、次の2種類から成り立っています。
この2つがともに課税されない状態を「住民税非課税」といい、世帯全員が非課税である場合を「住民税非課税世帯」といいます。
なお、所得割のみが非課税となるケースもありますが、給付金や各種支援制度の対象となるかどうかは自治体によって異なる場合があります。
2.1 住民税非課税世帯と生活保護は同じではない
「住民税非課税世帯」と「生活保護」は混同されることがありますが、両者は異なる制度です。
住民税非課税世帯とは、一定の所得基準を満たした結果、住民税が課税されない世帯を指します。
一方、生活保護は、収入や資産などを活用してもなお生活が困難な場合に、国が最低限度の生活を保障する制度です。
そのため、住民税非課税世帯だからといって生活保護を受給しているとは限らず、生活保護を受けていない世帯も数多く含まれています。
たとえば、年金生活を送る高齢世帯や、収入が一定水準以下の現役世帯なども、住民税非課税世帯に該当することがあります。
また、扶養親族の有無や各種所得控除などによって判定が変わるため、同じ収入額でも住民税非課税世帯に該当するケースとしないケースがあります。
このように、住民税非課税世帯は「生活保護世帯」と同じ意味ではなく、一定の所得基準を満たした幅広い世帯が対象となる制度です。
では、実際にどのような場合に住民税が非課税となるのか、主な条件を確認していきましょう。
住民税が非課税となる代表的なケースは、次のとおりです。
なお、1と2は全国共通の基準ですが、3の所得基準は自治体ごとに異なるため、居住地によって条件が変わる点に注意が必要です。
3. 【住民税非課税世帯】住民税が非課税となる所得・収入の目安
ここでは、兵庫県神戸市を例に、住民税が非課税となる所得基準を見ていきます。
神戸市では、非課税となる所得基準を次の計算式で算出しています。
35万円×(本人+同一生計配偶者(※)+扶養親族数)+10万円+21万円
ただし、21万円は同一生計配偶者(※)または扶養親族がいる場合のみ加算
※同一生計配偶者とは、納税義務者と生計を一にする配偶者で、前年の合計所得金額が58万円以下の人
住民税が非課税となる基準は、扶養親族の人数だけでなく、給与収入か年金収入かといった収入の種類によっても異なります。
所得は収入から各種控除を差し引いて算出されるため、ここでは神戸市が公表している収入ベースの目安を紹介します。
3.1 単身世帯の場合
合計所得金額が45万円以下になる方
3.2 同一生計配偶者または扶養親族が1名いる場合
合計所得金額が101万円以下になる方
単身世帯では、給与収入のみなら年収110万円以下、65歳以上で年金収入のみの場合は155万円以下がおおよその目安となります。
一方、同一生計配偶者や扶養親族がいる世帯では、非課税となる収入基準が引き上げられており、とくに65歳以上で年金収入のみのケースでは、目安となる収入が211万円以下となり、単身世帯より基準が高く設定されています。
このように、住民税非課税世帯に該当するかどうかは、世帯構成や収入の内容によって判断基準が変わります。
4. 監修者コメント:制度を知っているかどうかで受けられる支援が変わる

銀行の窓口でも、ご自身が住民税非課税世帯に該当するかどうかを把握していないまま、利用できるはずの制度を見逃している方によくお会いしました。
住民税非課税世帯の判定は、生活保護のような一律の基準ではなく、世帯構成や収入の種類によって細かく変わります。「自分は対象外だろう」と思い込む前に、まずはお住まいの自治体の基準を確認してみることをおすすめします。
該当する場合には、国民健康保険料の軽減や高等教育の修学支援など、さまざまな制度を利用できる可能性があります。届いた住民税決定通知書を一度見返し、必要であれば自治体の窓口に相談してみるとよいでしょう。
5. 住民税非課税世帯の条件を確認し利用できる支援の活用を
本記事では、住民税非課税世帯の基本的な仕組みや、非課税となる条件・収入の目安について解説しました。
住民税非課税世帯は、一定の所得基準を満たすことで、国民健康保険料や介護保険料の軽減、国民年金保険料の免除、保育料の無償化、高等教育の修学支援など、さまざまな制度を利用できる可能性があります。
ただし、住民税が非課税となる所得基準は自治体ごとに異なり、世帯構成や収入の種類によっても判定基準が変わります。
制度を有効に活用するためにも、自身の収入や世帯状況を確認するとともに、お住まいの自治体が公表している最新の情報を確認し、利用できる支援制度がないかチェックしてみましょう。
参考資料
ファイナンシャルアドバイザー
一種外務員資格(証券外務員一種)、保険募集人資格などを保有。福岡女学院大学人文学部英語学科卒業後、日本郵便株式会社にてリテール営業に従事。投資信託や生命保険の販売では商品分析を得意とし、豊富な商品知識を持つ。現在はこれまでの金融商品の知識を生かし、Instagramを中心に、SNSにて資産運用のはじめ方や資産形成のコツについて積極的に情報発信をしている。また、専門家と実務家が発信する金融経済ニュースサイト「LIMO&ファイナンス」でも執筆を行う。はたらく世代のお金の悩みに徹底的に寄り添う姿勢で顧客からの信頼も厚く、Yahoo!ニュース経済カテゴリーでアクセスランキング1位なども達成。
監修者
株式会社モニクルリサーチ メディア編集本部
LIMO編集部記者/2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)/元銀行員/金融ライター
2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)保有。大学卒業後、株式会社三菱UFJ銀行にて主にリテール営業に従事し、延べ1万名以上の個人のお金の相談に携わった。とくに銀行では国内外株式の仲介、国内外の債券、投資信託、生命保険、住宅ローンなどの販売に携わり、全国表彰歴あり。金融機関勤務後は経験を活かし、株式会社モニクル傘下の株式会社モニクルリサーチ(旧:株式会社ナビゲータープラットフォーム)に入社。
現在はくらしとお金の経済メディア「LIMO(リーモ)」のLIMO編集部にて、厚生労働省管轄の厚生年金保険と国民年金(老齢年金・障害年金・遺族年金)、年金制度の仕組み、社会保障、貯蓄、資産運用、NISA、iDeCo、住宅ローン、カードローン、為替相場、株式投資などを中心に記事の企画・執筆・編集・監修をおこなっている。Yahoo!ニュース経済カテゴリでアクセスランキング1位を多数達成。(2026年7月29日更新)




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