プライムオンライン ライブラリー 初期は自覚症状がない慢性腎臓病…もうひとつの“沈黙の臓器”腎臓を守るため専門医が提案する二重チェックの項目 | きばいやんせ!鹿児島

プライムオンライン ライブラリー 初期は自覚症状がない慢性腎臓病…もうひとつの“沈黙の臓器”腎臓を守るため専門医が提案する二重チェックの項目

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慢性腎臓病は推定患者数2000万人、成人の5人に1人が抱えていると言われるが、多くの場合、初期は自覚症状がないまま進行していくという。
腎臓専門医・髙取優二さんの著書で腎臓機能の低下を感じ始めた人に向けて、毎日の食事でできるポイントを解説した“食のトリセツ”『100歳まで元気!腎臓を強くする食のトリセツ』(扶桑社)から、一部抜粋・再編集して紹介する。

初期のうちは自覚症状が出ない

腎臓が悪くなってきたら、いったい、どんなことが体に起こってくるのでしょうか。

自覚症状があれば、早めに医者にかかることができるはず、そうお考えになる方もいらっしゃると思います。

しかし、残念ながら皆さんのご期待に応えられるような回答を出すことはできません。

初期はほとんど自覚症状のない疾患(画像:イメージ)この記事の画像(5枚)

というのも、慢性腎臓病(CKD)という病気は、発症しても最初のうちはほとんど自覚症状の出ない疾患だからです。

この病気の特徴として、皆さんにぜひ知っておいていただきたいのは、「初期のうちは、慢性腎臓病には自覚症状が何もない」ということなのです。

よく肝臓は「沈黙の臓器」だといわれますが、じつは、腎臓もまた、沈黙の臓器なのです。腎臓の組織が一部壊れてしまっても、残った部分が限界まで働きを補ってしまうため、生活に支障が出にくいのです。

だるさやむくみなどの自覚症状が出るのは、この病気の進行の度合いの指標=ステージでいうG4(人工透析などが必要となる最終ステージG5の手前)くらいから。つまり、かなり重症化してから、ということになります。

慢性腎臓病は二重チェック!

そこで、私が皆さんに提案したいのが二重チェックです。

慢性腎臓病では、自覚症状と生活習慣の2つを重ねてチェックしておくことが大事です。二重チェックの意味は、こうなります。

・自覚症状チェック:1つでもあてはまるならかなり進行している可能性
尿が泡立つ、夜間頻尿(夜2回以上トイレに起きる)、息切れ、尿の色がおかしい(赤かったり、褐色に見える)、だるさ・倦怠感、よく足がつる、体がむくむ・靴がきつくなる、顔色が悪い、皮膚のかゆみ

・生活習慣チェック:あてはまる項目が多いなら無症状でも危険因子あり
血圧が高い、血糖値が高い、腎機能値が急にガクンと悪くなった、かなり太っている、加工食品(加工肉など)をよく食べる、コンビニ食をよく食べる、しょっぱい味が好き、甘い飲み物(清涼飲料水など)が好き、運動していない、タバコがやめられない

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自覚症状がすぐ出てくるわけではありませんが、もちろんそれらを知っておいて悪いことはありません。

たとえば、「最近疲れが抜けにくい」とか、「なんとなく体調がよくない」といったように、ご自身の体の声に耳を澄ましておくことは腎臓に限らず健康を守っていくうえで、とても大事なことです。

生活習慣のチェック項目は、いずれも慢性腎臓病の原因ともなるファクターです。慢性腎臓病を悪化させる有力な原因である血圧や血糖値の数値も、必ず定期的に確認しましょう。

生活習慣のチェックをしてみて思い当たる項目が多いあなたは、慢性腎臓病の危険因子を多く持っているということになります。

むろん、健康診断を受けて腎機能値(eGFR:推算糸球体(しきゅうたい)ろ過量)と尿検査のデータを地道にちゃんとチェックしておくことも大事です。

自覚症状がなかなか出ないところからわかるように、腎臓はつらさを隠して働いてしまう頑張り屋。そんな働き者の腎臓が私たちの生命活動を支え続けています。

腎臓の構造と基本的な仕組み

腎臓の構造を見ておきましょう。腎臓は腰の上あたりに左右1つずつある、ソラマメ形の臓器です。1つが約150gほどの重さで、大きさは握りこぶしくらい。

腎臓の働きといわれると、多くの皆さんがすぐに思いつくのが、「尿をつくること」でしょう。

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まず、その基本的な仕組みを見ておきましょう。

1つの腎臓には、「ネフロン」と呼ばれる尿をつくる組織が約100万個あります。腎臓は腰の左右に1個ずつ、合計2個あるので、1人あたり約200万個のネフロンを持っているということになります。 

ネフロンは血液をろ過する「糸球体」と、ろ過された液体から必要な水分や体にとって大事な栄養分などを再吸収する「尿細管(にょうさいかん)」から構成されています。

糸球体を包むものが「ボーマン嚢(のう)」、糸球体とボーマン嚢をあわせて「腎小体(じんしょうたい)」と呼びます。

腎動脈(じんどうみゃく)を通ってきた血液は腎臓の糸球体に流れ込み、ここで老廃物を含んだ血液がろ過されます。

このろ過された液体が「原尿(げんにょう)」と呼ばれる尿の元になります。

原尿は健康な人で1日あたり約150~180L(ドラム缶約1本分)もつくられます。ただし、できた原尿のうち、尿細管を通る間にその大半(体に必要な栄養やミネラル、水分など)がもう一度再吸収されます。

その結果、最終的には約1.5L程度が尿となって体の外へ出されるのです。

腎機能が低下し、この尿をつくる働きが支障をきたすようになると、体内に老廃物がたまり、それこそ生命維持に関わるさまざまな問題が起こってきます。

『100歳まで元気!腎臓を強くする食のトリセツ』(扶桑社)

髙取優二
鳥取大学医学部卒業後、岡山大学病院腎・免疫・内分泌代謝内科などを経て、現在は埼友八潮クリニック院長。抗加齢医学(アンチエイジング)の観点から、腎臓病を捉えなおす新たな手法に取り組んでいる。

髙取優二

1975年生まれ。鳥取大学医学部卒業後、岡山大学病院腎・免疫・内分泌代謝内科などを経て、現在は埼友八潮クリニック院長。抗加齢医学(アンチエイジング)の観点から、腎臓病を捉えなおす新たな手法に取り組んでいる。日本腎臓学会専門医・指導医、日本透析医学会専門医・指導医、日本抗加齢医学会専門医。著書に、『人は腎臓から老いていく』『腎機能を自力で強くする 弱った腎臓のメンテナンス法』(ともにアスコム)、『腎臓の教科書』(講談社)など。

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