荒茶生産「日本一」好機に海外販路拡大 勢いづく九州、トランプ関税負けぬ | きばいやんせ!鹿児島

荒茶生産「日本一」好機に海外販路拡大 勢いづく九州、トランプ関税負けぬ

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鹿児島県南九州市の茶農家=2025年3月

 茶葉を製品に仕上げる前の「荒茶」生産量で初の日本一となった鹿児島県を擁する九州で、販路拡大の動きが活発化している。宮崎県や福岡県も上位に入ったのを好機に、日本食ブームなどで伸びしろが大きい欧米やアジア市場を狙う。米国の関税引き上げが影を落とすが、逆境に負けず、味の良さをはじめとした付加価値の高さを生かして売り込む戦略だ。(共同通信=渡具知萌絵)

 「鹿児島の茶は品質が良く、量もとれる。原料に使えるのは光栄だ」。緑茶「お~いお茶」を手がける伊藤園の品川長久中四国・九州地域営業本部長は笑顔で評した。

 「お~いお茶」は九州各県や静岡県、三重県などで栽培された茶葉をブレンドしてつくられる。鹿児島県の産地別シェアは4割ほど。平らで広大な茶畑が多いため機械化が進み、安定的に原料を提供できるのが強みだ。

 広告には大リーグの大谷翔平選手を起用し、海外展開に熱が入る。「2040年ごろに100以上の国・地域で販売」(販売促進部の担当者)。目標の中核は鹿児島県産が担う。

 欧米で菓子や飲料のフレーバーとして人気の高い「MATCHA(抹茶)」の輸出も支える。原料となる「てん茶」の生産量は鹿児島県がトップ。健康志向の高まりを背景に右肩上がりの海外需要を取り込もうと、各地で工場整備が進む。

 九州は、2024年の荒茶生産量で“王国”静岡県を抜いた鹿児島県に加え、5位の宮崎県、6位の福岡県、7位の熊本県を抱える。勢いづく一大産地は国内市場が頭打ちの中、価格が高い有機茶栽培をはじめ、海外で稼げる茶葉づくりに力を注ぐ。

 懸念材料はトランプ米政権による関税の壁だ。日本の2024年の緑茶輸出額は約364億円と5年連続で過去最高を更新したが、輸出量の約3割は米国が占めた。関税が原則無税から15%に上がったことで、需要がしぼむ恐れは拭えないのが現実だ。

 鹿児島県茶業会議所の柚木弘文会頭は「付加価値をPRして、少し値段が高くなっても飲んでもらえる努力が必要」と情報発信の強化を訴える。

 一方、ブランド茶の「知覧茶」を製造販売する浜田茶業(同県南九州市)は輸出先の分散に取り組む。8年ほど前から、人口増が著しいインドをブルーオーシャン(未開拓の市場)とみて取引してきた。「人口の伸びと活気がある。健康商品としての人気も根強い。知覧茶の素晴らしさを世界に伝え、浸透を図っていきたい」と浜田秀平専務取締役(35)は話す。鹿児島県の塩田康一知事は「欧州連合(EU)など需要が伸びているところ、新しい地域の開拓に力を入れたい」と、茶業界を後押しする考えを示している。

鹿児島県南九州市に広がる茶畑=2025年3月

鹿児島県の塩田康一知事(左)と面会する伊藤園の品川長久中四国・九州地域営業本部長=2025年4月、鹿児島県庁

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