インタビューに答える自民党の石破茂前首相=28日、東京・永田町(撮影・柿森英典)
石破茂前首相は28日、西日本新聞の取材に応じた。高市早苗首相が検討する「非核三原則」見直しに関し、緊急時の米軍による核持ち込みは「核抑止力のために絶対必要か。あまり意味を見いだせない」と否定的見解を示した。国民の心理的抵抗も理由に挙げた。台湾有事を巡る高市首相の答弁には「歴代政権はバランス感覚を持って対中外交をマネジメントしてきた」と苦言を呈した。
▶ 非核三原則の「堅持を」 高市首相の見直し検討に長崎被災協や長崎市長
核兵器を「持たず、つくらず、持ち込ませず」とする非核三原則は日本の基本政策。首相は米国の核抑止力が弱まるとして、三原則を「堅持する」と明記した国家安全保障戦略の改定に合わせ、「持ち込ませず」の見直しを検討している。
石破氏は「米国の核抑止力の信頼性を高める必要がある」と指摘した上で、例示として、核を搭載した軍艦の居場所を明らかにしない方が抑止力は高まると強調。「持ち込ませず」の見直しで軍艦は日本に入港できるが、抑止力の観点で合理性は低いとの認識を重ねて示した。
有事に核の持ち込みを認めることもあり得るとした2010年の岡田克也外相の答弁も踏まえ、「三原則を変えなくても、岡田答弁で完結する」とも語った。
被爆80年の今年、石破氏は広島と長崎の原爆忌に出席。「核を使うことがいかに悲惨で、残虐なことなのかを常にリマインド(再確認)しなければならない。長崎を最後の被爆地とするかどうかは人類の努力にかかっている」と述べた。
台湾有事が「存立危機事態になり得る」とした高市首相の答弁に対しては「何のメリットがあるのか。公の場で言うことか」と疑問視。日中国交正常化後、日本の歴代政権は台湾を巡り曖昧戦略を採ってきたため「デリケートかつ、ガラス細工のような議論であるべきだ」と警鐘を鳴らした。
外国人政策については「国民を脅かす外国人はお引き取りいただくのは当然」と一定理解を示した。同時に、人口減少社会で「外国人労働者に選ばれる日本も目指さないといけない」と訴えた。(岩谷瞬、小川勝也)


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