前立腺がん検査の費用はどのくらいかかるのでしょうか。メディカルドック監修医が、保険診療や人間ドック、自治体検診での費用の目安を解説します。
※この記事はメディカルドックにて『「前立腺がん検査の費用」はいくらかご存じですか?精密検査の費用と流れも医師が解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。
前立腺がんとは?
前立腺がんは男性特有の臓器である前立腺から生じる悪性腫瘍(がん)のことです。日本人男性のがんの中では最多である一方で、早期の段階で発見できれば長期間の生存が見込めます。
前立腺がんの初期症状
前立腺がんになってもほとんど症状がないケースもあります。なかには頻尿や排尿困難感、排尿時の痛み、血尿などが現れる方もいます。
前立腺がんの早期発見の重要性
前立腺がんは日本人男性ではもっとも罹患する頻度が高いがんの一つです。一方で、前立腺以外へのがんのひろがりがみられない(限局期)の場合は、5年相対生存率は100%とされています。そのため、早期の段階で発見することは重要だといえるでしょう。
自覚症状が出にくい前立腺がんは検査・検診で早期発見
前立腺がんは多くの場合、早期の段階では自覚症状が出ません。がん検診で早期発見の段階で発見する効果も期待できますが、過剰な診断や治療につながりかねないことも理解しておくことが大切です。
前立腺がん検査とは?健康診断や人間ドックで受けられる?
前立腺がんかどうかを調べる検査としては、血液中のPSA(前立腺特異抗原)を調べるものがあります。この検査は健康診断には一般的には含まれませんが、がん検診として追加することもできるケースがあります。また、人間ドックのオプションで、腫瘍マーカー測定などがん検診の一つとして受けることも可能です。
男性が前立腺がん検査を受ける推奨頻度は何歳からどのくらい?
厚生労働省から推奨されている前立腺がん検診は現時点ではありません。海外の研究などのデータを鑑みると、PSA測定を主とする前立腺がん検診の推奨年齢は、住民検診の場合には50歳以上が妥当ではと考えられています。一方、任意で受ける人間ドックなどの検診のケースは40歳代からPSAの基礎値を測っておくことが勧められています。がん検診を受けることで、受診者さんに過剰診断や過剰治療などの不利益が生じるリスクもあります。こうした事項を理解したうえで、住民検診の場合、50歳以上の方が年に1回がん検診を受けることがよいのではとされています。
前立腺がん検査の費用はいくら?
前立腺がんの検査としては、血液のなかにPSA(前立腺特異抗原)がどれくらいあるかを調べる検査が一般的です。ここでは、PSA検査の費用の目安について解説します。
保険診療の泌尿器科で前立腺がん検査を受ける場合の費用
PSA検査の保険点数は121点で、3割負担の場合は約400円となります。初診料や採血料などが加わり、1,000〜2,000円前後となると考えられます。最近では、PSAが基準値よりやや高い(4〜10 ng/mL)場合に、前立腺がんの可能性をより高い精度で評価し、負担の大きい前立腺生検(組織検査)が本当に必要かを判断するための新しい血液検査としてプロステートヘルスインデックス(phi)というものがあります。この場合は、保険点数281点で、もう少し費用は高くなります。
健康診断・人間ドックで前立腺がん検査を受ける場合の費用
人間ドックでPSA検査をオプションでつける際には、約2,000〜3,000円を目安にしておくとよいでしょう。会社などで働く方の場合は、検査費用の補助があるケースもあるので確認しておきましょう。
自治体の前立腺がん検診補助で無料・費用が安くなるケースとは?
自治体によっては50歳以上の男性の方に対して、自己負担額500〜1,000円ほどで年に1回PSA検査を受けられることもあります。また、5歳ごとの節目には無料になる自治体もあります。自治体の広報やホームページなどの情報を確認しておきましょう。
「前立腺がんの検査費用」についてよくある質問
ここまで症状の特徴や対処法などを紹介しました。ここでは「前立腺がんの検査費用」についてよくある質問に、メディカルドック監修医がお答えします。
前立腺がんの検査費用はいくらですか?
石川 智啓(医師)
何らかの症状があり、前立腺がんの疑いがあり泌尿器科などでPSA検査を受ける場合には保険適用となります。3割負担の方では1,000円前後が目安でしょう。人間ドックなどでPSA検査を受けるケースでは、医療機関によっても異なりますが2,000円前後が目安です。
前立腺がんの検査は自費ですか?保険は使えますか?
石川 智啓(医師)
症状がある場合に医師の判断で前立腺がんの検査を受けるケースでは、保険適用となります。がん検診や人間ドックのオプションの場合には自己負担となります。
50歳以上であれば前立腺がんのPSA検査費用が保険適用より割引になりますか?
石川 智啓(医師)
前立腺がんのPSA検査が保険適用になる場合、公的医療保険の自己負担割合は年齢によって異なります。現状、69歳までの方は3割負担、70〜74歳の方は2割負担(現役並み所得があるなら3割)、75歳以上は1割負担です。
前立腺がんの検査は年に何回受ければよいですか?
石川 智啓(医師)
PSA検査を主とする前立腺がん検診は、50歳以上の方で年に1回受けることが勧められています。ただし、PSA値が1.0ng/dL以下の場合は、3年ごとの検診でもよいのではと考えられています。
まとめ 前立腺がん検査の費用はPSA検査のみの場合にはそれほど高くはない!
今回の記事では、前立腺がんの検査や治療にかかる費用について解説しました。前立腺がんは初期の段階では症状がでにくいこともありますが、頻尿や尿のしづらさなどの症状が気になる場合は、放置せずに泌尿器科を受診するようにしましょう。無症状の場合でも、50歳以上の方は検査によるデメリットなども理解したうえでがん検診を受けてみるとよいのではないでしょうか。
「前立腺がん検診」で見つかる病気
「前立腺がん検診」から医師が考えられる病気は3個ほどあります。
各病気の詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。
泌尿器科系の病気
泌尿器科系
PSA値はこれらの病気で異常値を示すことがあります。
「前立腺がん」に関連する症状
「前立腺がん」に関連する症状は5個ほどあります。
各症状の詳細についてはリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。
関連する症状
排尿時の痛み
排尿困難
尿に血が混じる
腰痛
前立腺がんの多くでは自覚症状はありませんが、尿に関する症状が出るケースもあります。また、進行し腰の骨に転移すると腰痛などが生じることもあります。
参考文献
この記事の監修医師

石川 智啓 医師
2013年名古屋大学医学部卒。初期研修修了後、JCHO中京病院泌尿器科、小牧市民病院泌尿器科、名古屋大学医学部附属病院泌尿器科を経て、現在水野内科クリニックで勤務。日本泌尿器科学会専門医、da Vinci Surgical System コンソールサージャン・サーティフィケートの資格を有する。


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