昨今の電気代高騰や自然災害への備えから、住宅用太陽光発電に注目している人もいるのではないでしょうか。災害への備えやエコという観点だけでなく、自家消費をしたうえで、余った電力を電力会社に「売電」できる点も魅力の1つです。
一方で、設置費用との兼ね合いや収益の目安についてなど、運用にあたって疑問を抱えている人もいるかもしれません。本記事では「200万円」で設置した太陽光パネルを例に、「何年で元が取れるの?」という疑問を解消していきます。
住宅用太陽光発電の設置費用はキロワットあたり「平均29万5000円」
経済産業省の「第100回 調達価格等算定委員会 資料1 太陽光発電について」によれば、近年の住宅用太陽光発電のシステム費用は、やや上昇傾向にあります。2024年設置費用の平均は、図表1のとおりです。
図表1
経済産業省 第100回 調達価格等算定委員会 資料1 太陽光発電についてを基に筆者作成
これらの平均費用の内訳は、太陽光パネルが約47%、工事費が約29%を占めています。
一方、一般的な家庭に設置される住宅用太陽光発電システムの容量は、およそ3~5キロワットといわれています。前記のキロワットあたりの平均費用にこの数字を当てはめると、新築における設置費用は85万8000円~143万円程度、既築であれば97万8000円~163万円程度のコストが予想されます。
タイトルの事例のとおり、「200万円」のコストをかけて太陽光パネルを設置した場合は、6キロワット程度の住宅用太陽光発電システムの導入が目安となるでしょう。
「住宅用太陽光発電」はひと夏でいくら稼げた? もっとも稼げる季節は実は夏ではない!?
次に、売電による収入のシミュレーションを行ってみましょう。今回は、京セラ株式会社が提供している、住宅用太陽光発電の導入効果を予測できるサービス「太陽光発電・蓄電システムシミュレーション(簡易版)」を参考に試算してみました。
今回は以下の条件で実施したところ、結果は図表2のとおりとなりました。
・設置場所:東京
・地区:東京
・システム容量:6キロワット
・太陽電池を設置する方角:南
・現在(太陽光発電導入前)の電気料金プラン:東京電力 従量電灯B
・最近1ヶ月の電気料金:1万円
図表2
京セラ株式会社 太陽光発電・蓄電システムシミュレーション(簡易版)を基に筆者作成
このように、「ひと夏」を7~9月の3ヶ月間と仮定すると、およそ2万2244円の収入が得られる可能性があります。
ちなみに、「太陽光発電」と聞くと、日照時間の多くなる「夏に稼げそう」という印象を抱く人が多いかもしれません。
しかし、夏は発電システムにとって過酷な環境となるため、外気温の上昇にともなって発電効率は下がってしまう可能性もあります。ソーラーパネルの特性や日本の環境から、気温がそれほど高くならず日照時間も安定しやすい春のほうが稼げるケースもあるようです。
“200万円”で取り付けた「太陽光パネル」、結局何年で元が取れる?
では、掲題の「200万円」で取り付けた太陽光パネルは、何年で元が取れるのでしょうか。
前記の「太陽光発電・蓄電システムシミュレーション(簡易版)」にて同条件で試算すると、節約できる電気料金の年間予想は2025年10月14日時点で「13万8087円」となります。
つまり、200万円(設置費用)÷13万8087円(節約できる電気料金の年間予想)で、約14年の運用で元が取れる可能性があります。
ただし、太陽光発電システムにはメンテナンスコストやランニングコストも生じるため、あくまでシミュレーション上の目安であることを考慮する必要があるでしょう。
まとめ
余剰電力を「売電」できる住宅用太陽光発電ですが、設置コストの「元を取ろう」と考えるのであれば、長期的な視点で運用する必要がありそうです。「200万円」で取り付けた今回の太陽光パネルであれば、2025年の水準では「約14年」の運用で元が取れる可能性があります。維持費の見積もりも踏まえ、計画的な運用を心がけましょう。
出典
経済産業省 第100回 調達価格等算定委員会 資料1 太陽光発電について
京セラ株式会社 太陽光発電・蓄電システムシミュレーション(簡易版)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー


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