高市政権で「消費減税」を達成しても、庶民の生活は苦しくなるだけ…?「責任ある積極財政」に隠されたカラクリ | きばいやんせ!鹿児島

高市政権で「消費減税」を達成しても、庶民の生活は苦しくなるだけ…?「責任ある積極財政」に隠されたカラクリ

高市政権の圧勝で株高に沸く日本経済。しかし、漫然と過ごすと資産が目減りする恐れも。着実に資産を守り、賢く増やす方法をお伝えします。

積極財政を大々的にアピールしながら、実際には大盤振る舞いまではしない―高市政権は絶妙な綱渡りをしようとしている。

高市総理が胸に秘める「消費減税」への思い

しかし、これはそう簡単なことではない。加谷氏は「高市総理は手札を温存している状態」だと見ている。

「急激な財政拡張は副作用が強いため、一気には行いません。しかし、支持率低下などで権力基盤が揺らげば、温存していた財政出動やさらなる減税などのカードを切り、人気維持を図るはずです。結果、徐々に財政は拡張していくでしょう」

本誌は昨年の自民党総裁選直前、高市氏と前出の篠原氏の対談を行った。誌面には掲載しなかったものの、食料品の消費減税に話がおよび、高市氏は憤りを口にしていた。

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「私はやるべきだと思っているのですが、党内で意見が割れている。『レジの設定が大変だ』なんて言って反対している人たちがいるけれど、何がデジタル立国やねん。私は、選択肢は捨てていませんよ!」

高市総理にとって、消費減税はやはり「悲願」なのだ。

また、アベノミクスで踏み込み不足とされた「第三の矢(成長戦略)」にも強いこだわりを持つ。AI・半導体や造船など17の戦略分野へ重点投資を行う方針だ。

庶民に降りかかる「金融緩和のしわ寄せ」

こうした減税や財政出動の財源はどこから捻出するのか。懸念されているのが、新たな赤字国債の発行だ。元自民党幹事長でジャーナリストに転身した石原伸晃氏が説明する。

「高市さんのブレーンにはリフレ派が多く、積極的な金融緩和を続けるべきだと主張しています。さすがに最近、インフレが過熱してきて、国債発行はGDP(国内総生産)の成長の枠内に抑えるべきとトーンダウンし始めました」

政府債務残高の対名目GDP比が下がればそれでいい。要はインフレを引き起こして名目GDPを拡大させ続ければ財政が持続する―これが「サナエ景気」の正体なのだ。

しかし、前出の佐藤氏はこの考え方に懐疑的だ。

「現在の名目GDP上昇は、円安による物価高が押し上げているに過ぎません。このままインフレが進めば実質賃金は低下し、家計の購買力は奪われます。さらにインフレ加速で長期金利が上昇し、経済成長率を超えてしまえば、国債の利払い費が増額して、財政出動の余地はなくなります」

インフレでモノの価値が上がると、見かけ上の企業業績も上がる。株価も上がって日経平均は6万円を超えるかもしれない。一方で円安も進み、1ドル=180円の水準になることも考えられる。これを止めるには金利を上げざるをえず、そのときには住宅ローン金利も上昇し、結局しわ寄せは庶民に回ってくる。

「インフレ税」から身を守るしかない

「食料品の消費税をゼロにしても、インフレで物価が上がれば、減税の効果は相殺されてしまいます。それどころか財政悪化の懸念により、さらに円安が進み、物価が急騰するかもしれません。

17分野への投資も同様で、ただ資金を投じれば生産性が上がるというのは楽観的すぎます。成長につながらなければ、単なるバラマキに終わるでしょう」(佐藤氏)

結果、市中にマネーが流れるだけでインフレは加速する。佐藤氏はこう指摘する。

「物価が上がった分、国の税収は増加しています。それを納税しているのは我々なのです。インフレによって現金の価値は目減りしており、私たちは『インフレ税』を払っているようなものです」

前出の加谷氏もこう警鐘を鳴らす。

「日本は増え続ける社会保障費や防衛費、国債の利払いでいずれにせよ大型の財政出動が不可避です。自分の身は自分で守るしかありません」

「週刊現代」2026年3月2日号より

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