『慢性腎臓病』をご存知でしょうか。『腎臓リハビリ』を生んだ世界的名医である上月正博先生は「慢性腎臓病はいまや新国民病と言っても過言ではありません。発覚してからではなく、日頃から腎臓をいたわる生活を続けることが何よりも大切です」と語ります。そこで今回は上月先生の著書『長生きは腎臓が10割: 腎機能を高めて健康寿命を延ばす最高の習慣』より一部を抜粋し、今日からすぐに実践でき、将来に大きな差を生むノウハウをご紹介します。
慢性腎臓病は、もはや新しい国民病である
約10年で500万人以上も増えている!
慢性腎臓病は、腎臓が慢性的な機能低下状態におちいるさまざまな病気の総称です。慢性腎臓病の定義が国際的に導入されたのは2002年のことでした。それからわずか20年ほどの間に、患者数は急激に増えています。
日本国内における20歳以上の推定患者数は、05年の時点では1330万人でした。それが15年には1480万人まで増加。24年の統計ではさらに増えて、2000万人という数字が出ています。
これは20歳以上の国民の実に5人に1人が患っているという計算です。
20歳以上の5人に1人が慢性腎臓病。患者増加の最大の要因とは…。専門医「健康診断では<腎臓を壊す四悪きょうだい>の数値に要注意」
患者数が増えた背景
15年から24年の間に500万人以上も患者数が増えた背景には、いったい何があるのでしょうか。慢性腎臓病を引き起こす主な疾患として、糖尿病や高血圧といった生活習慣病がありますが、治療薬は進化していますし、近年になって著しく数が増えているわけでもありません。
急増している主な原因、それは、年をとること。いわゆる加齢です。ネフロンは年齢を重ねるにつれて数が減っていきます。それにともなって、腎臓の機能も自然に衰えて、原因となる疾患を抱えていなくても、慢性的に腎機能は低下してしまうのです。
『長生きは腎臓が10割: 腎機能を高めて健康寿命を延ばす最高の習慣』(著:上月正博/Gakken)
慢性腎臓病を患うリスクは高齢になるほど上昇し、患者の約2000万人は大半が高齢者です。成人全体では5人にひとりですが、70代では3人に1人、80代以上では2人に1人という高確率で慢性腎臓病を患っています。

<『長生きは腎臓が10割: 腎機能を高めて健康寿命を延ばす最高の習慣』より>
長生きが当たり前になったことで、高齢になるほど患うリスクが高まる慢性腎臓病に直面する人も増えているというわけです。もはや、慢性腎臓病は誰もが目を背けることができない問題であり、新しい国民病といっていいでしょう。
高血圧・高血糖・高尿酸・高LDLコレステロールの“四悪きょうだい”が腎臓を壊す
加齢も加わり腎機能低下が加速
腎機能の低下は、そのスピードにかなりの個人差があります。80歳や90歳になっても腎臓が元気に働いている人もいれば、40代でだいぶ弱っている人もいます。
なぜこれほど大きな差が生まれてしまうのでしょうか。ここで浮上するのが高血圧、高血糖、高尿酸、高LDLコレステロールという4つの危険因子です。これらは、腎臓を痛めつける四悪きょうだいともいうべき存在。腎臓に大きな負荷をかけ、加齢とともにゆっくり進むはずの機能低下を加速させてしまうのです。
高血圧や高血糖は血管にダメージを与えることが知られていますが、大量の血液をろ過するネフロンの糸球体も、毛細血管の集まりです。そのため、腎臓もまた、高血圧や高血糖の悪影響をダイレクトに受けてしまうのです。
高血圧や高血糖は、腎臓内の血管にダメージを与えて慢性的な炎症や動脈硬化を招くとともに、糸球体のろ過機能も壊します。毛細血管のかたまりである糸球体のまわりには網の目のように細胞が絡みつき、フィルターの役目を果たしています。しかし、高血圧や高血糖の状態が続くと、過剰な圧がかかることで細胞がはがれ落ちてしまいます。その結果、ろ過機能は低下し、本来は体に残すはずのものが尿として出てしまうようになります。こうなると、腎機能はみるみる悪化していきます。
腎臓を壊す四きょうだい
尿酸値が高くなっている場合も、腎臓にとっては大ごとです。尿酸はプリン体を摂取した際に分泌されますが、尿酸値が高いと痛風になります。痛風といえば美食家がかかる病気で、足の親指の付け根などが激しく痛むイメージが強いかもしれません。これは痛風結節と呼ばれるもので、足などの関節内で尿酸が結晶化し、炎症化することで起こりますが、同じように腎臓にも尿酸の結晶ができてしまうのです。これは痛風腎と呼ばれ、炎症も起こして腎機能を大きく低下させてしまいます。
もうひとつ、LDLコレステロールも要警戒な存在です。悪玉コレステロールとも呼ばれるLDLコレステロールは、過剰になると血管に沈着し、悪影響を及ぼします。腎臓内でも糸球体などの血管に沈着し、動脈硬化を進めてしまうのです。
もし、健康診断でこれらの数値が正常値の範囲から逸脱していたら要注意です。改善しないままだと、そのうち腎臓にも異常が生じます。もちろん、これらは腎臓以外にとっても厄介者です。
高血圧や高血糖は生活習慣病を招く大きな要因ですし、尿酸やコレステロールの異常は、腎臓より先に心臓に障害を与えます。全身の健康のためにも、腎臓を壊す四きょうだいを暴れさせないよう気をつけましょう。

<『長生きは腎臓が10割: 腎機能を高めて健康寿命を延ばす最高の習慣』より>
※本稿は、『長生きは腎臓が10割: 腎機能を高めて健康寿命を延ばす最高の習慣』(Gakken)の一部を再編集したものです。
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『長生きは腎臓が10割: 腎機能を高めて健康寿命を延ばす最高の習慣』(著:上月正博/Gakken)
いまや新国民病と言っても過言ではない慢性腎臓病から腎臓を守るには、日頃から腎臓をいたわる生活を続けることが何よりも大切。
本書は、「腎臓リハビリ」を生んだ世界的名医が、腎臓ケアの新常識をわかりやすく解説。
今日からすぐに実践でき、将来に大きな差を生むノウハウを満載した、現代人必携の一冊です。
長生きは腎臓が10割: 腎機能を高めて健康寿命を延ばす最高の習慣
作者:上月正博
出版社:Gakken
発売日:2026/7/31
出典=『長生きは腎臓が10割: 腎機能を高めて健康寿命を延ばす最高の習慣』(著:上月正博/Gakken)








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