「介護難民400万人時代」の衝撃 「2人に1人が介護を受けられなくなる事態」が現実味を帯びる理由とは? | きばいやんせ!鹿児島

「介護難民400万人時代」の衝撃 「2人に1人が介護を受けられなくなる事態」が現実味を帯びる理由とは?

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『介護難民400万人時代』では、老後資金2000万円では足りなくなるリスクや、介護現場の実態についても詳述している(GettyImages)

 介護を必要としても、施設にも在宅サービスにもつながれない――。そんな「介護難民」が2040~50年頃には約400万人に達する可能性があるという。背景にあるのは、高齢者の急増と深刻な介護職不足だ。新書『介護難民400万人時代』(小林美希著)より、一部を抜粋して紹介する。

介護を受けられない人が400万人に?

 第一ライフ資産運用経済研究所の星野卓也主席エコノミストの試算によれば、2050年度に要介護・要支援になる高齢者が941万人になる一方、その時に必要な介護職員は302万人であるが、現在の就業構造を前提にすると180万人しか確保できないという。

 この試算を元にすると、400万人もの「介護難民」が生じてしまう。

 団塊世代の全員が85歳以上になるのは2035年。国の試算では2040年に65歳以上の要支援・要介護認定者が全国で843万人のピークを迎えると予想されている。

 介護保険法に基づいて、市町村は3年おきに介護サービスの事業計画を立てており、同年に654万人分の介護サービスを供給する見通しだ。ここで、要介護者数の予測からサービス供給量の見込みの差を見るだけでも、189万人が介護を受けられない可能性がある。

要介護(要支援)認定者数の推計
要介護(要支援)認定者数の推計

人手不足が生む「構造的限界」

 介護施設には人員配置基準があることから、「介護難民」の発生を防げるかどうかのカギとなるのは、介護職として働く人員が増えるのかどうか。2040年度に必要な介護職は約272万人と推計され、現時点の介護職員よりも60万人近く増えなければならない。

 ところが、2019年度から2024年度を見ても2万人増の約212万6000人しかいない。2025年と2040年の人口を比べると、65歳以上が3653万人から3928万人へと7・5%増える一方で、15〜64歳の現役世代は7170万人から5978万人へと16・6%も減っていく。現役世代の人口が減るなか、介護職が増えていくとは期待しにくい。

 仮に2024年度の介護職員数から増えない場合、同年度の介護サービス利用者数の573万人と同程度しか介護を受けられなくなる。すると、270万人が介護難民になる可能性がある。

 経済産業省が2018年3月に発表した推計では、2040年の要介護(要支援)認定者数が988万人でピークを迎えるとされていた。この推計をもとにして介護職員が増えない前提で単純計算すれば、415万人が介護難民になることになる。

 どの試算をもってしても、あと20年も先の2040〜50年頃には400万人が介護難民になる可能性がありそうだ。

《新刊『介護難民400万人時代』では、老後資金2000万円では足りなくなるリスクや、介護現場の実態についても詳述している》


title介護難民400万人時代 2040年 日本型“超高齢社会”の末路 (朝日新書)author小林 美希data朝日新聞出版※価格などの情報は、原稿執筆時点のものになるため、最新価格や在庫情報等は、Amazonサイト上でご確認ください。

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